丁寧に解説!WordPress利用におすすめのレンタルサーバー比較

ここでは、世界的に人気のあるホームページ・ブログ作成ソフト「WordPress(ワードプレス)」の利用に向いているレンタルサーバーを比較しています。同様の情報はインターネット上にも多数ありますが、この記事ではとくに以下の2点を大事にしています。

  • 比較対象のサービスをむやみと増やさないこと
  • 各評価の根拠をしっかりと説明すること

とくに比較対象をむやみに増やさないという点については、あまりに多数のサービスを一挙に紹介することで、読んでいる方の混乱を招きたくないためです。

またレンタルサーバーは現時点の性能だけでなく、今後のスペック増強や機能追加が見込めるかというのも隠れた大事なポイントです。その観点から考えると大手~中堅以上のサービスを選ぶことがやはり安全で、結果として本当に比較すべきサービスは限られてくるからです。

最初に結論から

最初に結論だけ述べておくと、幅広く多くの方におすすめできるのはエックスサーバーとなります。このあと全部で8項目を用いて各サービスを評価していきますが、価格という一点を除けば、他のほぼすべての点で評価が○~◎となるためです。

また当サイト自体も2010年から5年以上にわたりエックスサーバーを用いて運営しており、その使いやすさや快適さを実感しています。実際の利用者としての体験も踏まえた上で、自信をもっておすすめします。

エックスサーバーの契約状況
※管理人のエックスサーバーの契約情報です。2010年7月30日から利用を開始しています。
※利用期限については毎月自動で更新されるように設定にしています。

評価に用いるのは全8項目

WordPressに最適なレンタルサーバーがどれかを決めるために、当記事では全8項目を用います。ただし、これも並列で8項目だらだらと羅列しても分かりにくくなるだけですので、比較の上で重要なメインの項目と、重要性の低いサブの項目に分けています。

以下、どのような観点から各項目を判断しているのかについて説明します。なお時間がないという方は、飛ばして各サービスの個別評価に進んでいただいても比較の概要は掴んでいただけます。

メイン評価(4項目)

価格

やはり価格というのは最重要ポイントのひとつです。とくにレンタルサーバーは事業者やプラン選びによって年間トータルコストが数倍変わることも多く、ここを無視して比較するわけにはいきません。

現状の価格相場としては、大別すると(月額で)「100円前後」「250円前後」「500円前後」「1000円前後」「それ以上」となります。そのため月額300円以下であれば高評価となり、反対に月額1000円を超えるようだと徐々に厳しい点数になります。

自動インストール機能の有無

WordPressをインストールする場合、本来は「ワードプレス本体のダウンロード」→「解凍」→「FTPでのアップロード」→「MySQLユーザーの作成」→「MySQLデータベースの作成」→「データベースの割り当て」→「インストール」といった手順を踏まなければなりません。

しかし、こうした作業は初心者にはハードルが高いこともあり、また慣れた人間であっても手間がかかります。そのため最近のレンタルサーバーの多くは自動(簡単)インストール機能を備えており、管理画面からの数クリックで作業が完結します。この自動インストール機能があるかどうかもポイントの一つです。

安定性・速度

多数のアクセスがあっても安定してホームページやブログが表示されるか、また表示速度が快適なものであるかについての指標です。
※厳密には安定性と速度は別の指標ですが、シンプルにするためにここではまとめています。

とくにWordPressは、アクセスがあるたびにデータベースから記事やコメントを読み込んで出力するという処理を行ため(動的)、通常のHTMLファイルだけで構成されたページ(静的)に比べて安定性や速度で問題が起こりやすくなります。選ぶ上で非常に大切なポイントです。

複数サイト運営

最近では用途や目的に応じて複数のホームページやブログを使い分けるという方も多く、その点でどのぐらいの数のサイトを運営できるのかも重要なポイントになりつつあります。
※ただし、もし運営予定のサイトが1個だけの場合は、この評価項目は無視していただいて構いません。

複数サイト運営のためには、通常は独自ドメインを幾つ取り扱えるかというマルチドメイン機能が着目されます。ただしワードプレスでは、記事のデータ等を保管するMySQLデータベースが幾つ作成できるかがより重要なポイントとなります。

サブ評価(4項目)

ディスク容量

意外に思われるかもしれませんが、ディスク容量についてはさほど重要ではありません。というのも、(今回ここで紹介している有名どころについて言えば)WordPressが使えるプランでは最低でも50GB~の容量があります。

ワードプレスそのものは容量としては1GBにも満たず、またテキストベースでたまに画像を使うだけであればほとんどディスクはいりません。例外的に、毎回の記事に何十枚も画像を入れるといった方は容量については大きめのサービスが安心です。

転送量

アクセスが増えるほどにかさんでくるのが転送量です。しかし、ここ1~2年で格安レンタルサーバーでも一気に緩和が進んだことで、大手であれば転送量が問題になるケースはかなり少なくなっています。それでも一部サービスについてはやや不安がありますが、その場合は評価を下げています。

独自SSL対応

問い合わせフォームなどに入力された情報を暗号化するとともに、その情報の送信先が正しいものであることを証明するのが独自SSLサーバ証明書です。

独自SSLについてはそもそも(フォームなどを設置しないので)必要としない場合から、個人レベルで済ませられる場合、企業で使わなければならない場合など、状況が多様です。また利用できる証明書自体も、低価格のものから高額なものまで様々に分かれています。

バックアップ(データ復元)

バックアップ機能も万が一のデータ損失に備えるという点で大事なポイントなのですが、WordPressを使うという前提の場合、プラグイン(拡張機能)などによりある程度ユーザー側でもバックアップを自動化できます。そのためここではあえてサブ項目に位置づけました。

なおバックアップと一口に言っても、ユーザーが任意にデータを復元(リストア)できるものとそうでないものがあります。ここではデータ復元に対応しているもののみを評価対象としています。

エックスサーバーのX10プラン

ここからは前述した8項目について、各サービスの評価と解説を行っていきます。
まずは記事冒頭でも紹介したエックスサーバーからです。

エックスサーバーはX10/X20/X30と3つのプランがあります。ただしもともと十分と言えるほどのディスク容量やデータベース数がさらに増えるのが中心で、プランによる機能面での大きな差はありません。そのためコストパフォーマンスとしては、一番低価格のX10プランがもっとも良くなります。

X10プランのデータ

価格(税込) 自動インストール 安定性・速度 複数サイト運営
初期費用3,240円
月額1,080円
利用可能 マルチドメイン無制限
MySQLデータベース30個
ディスク容量 転送量 独自SSL バックアップ
200GB 70GB/日 低価格SSL対応
(年間1,080円~)
標準で7~14世代
(復元時は要費用)

価格面については、今回の比較対象群のなかではもっとも高額になります。機能と品質を考えるとこれでも十分な低価格と言えるのですが、手軽・気軽に利用しにくい料金なのは事実です。

一方で、価格以外の面ではほぼ弱点が見当たらない状況です。ディスク容量、MySQLデータベース数、転送量など数値で分かるスペックは軒並み優れています。
さらに速度や安定性にも目を見張るものがあり、ディスク構成も高速化と二重化を両立したRAID10、PHPに関しても高速化されたFastCGIやパフォーマンスが良い最新版PHP7への切り替えが可能など多くの工夫が凝らされています。

バックアップについても標準でWebとメールに関しては7世代分、さらにWordPressの記事データなどが保管されているMySQLに関しては14世代分のバックアップが保存されています。万が一のデータ復元に費用がかかるので◎評価は外しましたが、平常時のランニングコストがかからないという点では非常に経済的です

またSNI SSLと呼ばれる低価格SSLが利用可能な数少ないレンタルサーバーでもあり、年間1000円台で独自SSLが導入できます。個人用途に限ればトップクラスの利便性です。ただ企業認証と呼ばれる法人向けのものについては提供がないため、ビジネス用途で独自SSLを使いたい場合には同社の上位ブランドであるシックスコアをおすすめします。

ロリポップ!(ライト/スタンダード)

次に格安レンタルサーバーとして定番のロリポップ!です。プランによって機能に大きな違いが出てきますが、月額108円のエコノミープランはWordPress対応がないため除外し、その上位のライトプランとスタンダードプランを比較対象としました。

ライトプランのデータ

価格(税込) 自動インストール 安定性・速度 複数サイト運営
初期費用1,620円
月額270円(税込)
利用可能 マルチドメイン20個
MySQLデータベース1個
ディスク容量 転送量 独自SSL バックアップ
50GB 40GB/日 有料オプション
(月額1,620円)
有料オプション
(月額324円)

スタンダードプランのデータ

価格(税込) 自動インストール 安定性・速度 複数サイト運営
初期費用1,620円
月額540円
利用可能 マルチドメイン50個
MySQLデータベース30個
ディスク容量 転送量 独自SSL バックアップ
120GB 60GB/日 有料オプション
(月額1,620円)
有料オプション
(月額324円)

ロリポップ!は低価格サービスの代表格ということもあり、費用面では前出のエックスサーバーの半分~4分の1程度と大きく下がります。とくにライトプランは月額300円以下と、手軽に利用しはじめられる価格です。

安くなったぶんだけ機能やスペックも削られがちですが、ライトプランでとくに注意すべきなのはMySQLデータベースが1個しか作成できないということです。つまり多数のWordPressサイト運営には不向きなプランとなります。

そのほかロリポップ!は独自SSLが「月額で」1,620円というかなり高額の有料オプションしかなく、バックアップも(データ復元は無料なかわりに)毎月一定のオプション費用がかかります。SSLやバックアップのいらない小規模サイトなら良いのですが、本格的なサイト運営を考えると、エックスサーバーの方が総合的にはおすすめです。

ただ趣味や小さなお店のホームページ程度であればロリポップ!は非常に有力な選択肢です。格安ということもあってサーバーの安定性や速度に以前は問題がありましたが、2015年末から2016年にかけての新サーバー移行でかなり環境は良くなっています。

ミニバード

ミニバードはロリポップ!のライトプランのライバルにあたるサービスです。レンタルサーバー業界では大手というよりは中堅の立ち位置です。

ミニバードのデータ

価格(税込) 自動インストール 安定性・速度 複数サイト運営
初期費用1,620円
月額270円
利用可能 マルチドメイン50個
MySQLデータベース5個
ディスク容量 転送量 独自SSL バックアップ
×
50GB 150GB/月 有料オプション
(年額8629円~)

ロリポップ!のライトプランに比べての最大の強みはMySQLデータベースが5個まで作れるということです。「データベース1個につきWordPress1個」という理想的な使い方でも5サイトまで同時運営できます。さらに(多少負荷がかかりますが)データベース1個あたり複数のWordPressを動かせば、それ以上の数のサイト運営も可能です。

一方で弱点は転送量の少なさと、データ復元可能なバックアップが利用できないことです。とくに転送量に関してはテキスト中心のサイトであれば一日数千PVを捌けるものの、画像が多いサイトになるとやや不安になってくる数値ではあります。運営サイトの数と種類に応じて、ロリポップ!と上手に選び分けるのがおすすめです。

その他のレンタルサーバー

上記が今回の主な比較対象ですが、有名どころでも幾つか紹介していないものがあります。基本的に幾つかの評価項目で問題があったために候補からは外れた形になりますが、理由とともに簡単に紹介しておきます。

さくらのレンタルサーバ

知名度という点では非常に高いさくらですが、その知名度とは裏腹に中~上級者向けという傾向があります。マニュアルなども専門用語が出てきやすいですし、管理画面なども使い勝手がそこまで良いものではありません。また安定性や速度も最近はやや不安があります。

そしてなによりWordPressの自動インストール機能がなく、その点でも初心者向けではありません。この記事はどちらかと言えば、自力だけでは各レンタルサーバーの評価が難しい初心者に向けたものなので、今回は対象からは外しました。

ヘテムル

一時期はエックスサーバーのライバルに近い位置づけにありましたが、近年はスペックや機能強化の頻度が落ちており、選ぶメリットが少なくなってきています。MySQLデータベースが100個作れるなど、超大量のサイト運営等には向いた面もあるのですが、例外的な用途になるため今回は除外しました。

お名前.com(共用サーバーSD)

月額1058円という価格からも分かるとおり、エックスサーバーの競合サービスです。ただバックアップ面などでやや劣る部分があり、現状エックスサーバーではなくあえてお名前を選ぶメリットは少ないです。

wpX

エックスサーバーの運営元が提供している、WordPress特化のサービスです。利用形態としてレンタルサーバー型とクラウド型かを選ぶことができます。速度という面では他の追随を許さないほどに高速ですが、独自SSLがそもそも導入できないなどかなり特殊な点が多数あります。

現在すでにワードプレスでサイトを運用しており、アクセス過多などでサイトが不安定になったり遅くなったりしているという方の乗り換え候補としては有力ですが、はじめてのワードプレス利用には不向きと言えます。

データ比較とまとめ

最後に、ここまで紹介したサービスのデータを一覧形式であらためて比較します。

サービス名 エックスサーバー ロリポップ! ミニバード
プラン名 X10 ライト スタンダード
価格
自動インストール
安定性・速度
複数サイト運営
ディスク容量
転送量
独自SSL
バックアップ ×

記事冒頭でも書きましたが、結論としては予算面で問題がなければエックスサーバーがおすすめです。当サイトも5年以上使っていますが、当面は変更の予定がありません。

ロリポップ!やミニバードの品質も少しずつ良くはなってきているのですが、いまだに収納サーバーによっては数十分を越えるような障害がときどきあります。エックスサーバーもさすがに障害ゼロではありませんが、ほとんどが数分以内に解決しています。もちろんセキュリティ上の大事故なども発生しておらず、安心感は別格です。

・当サイトによる紹介記事:エックスサーバーのレビューと評価

ただし月額1080円というのは気軽に手を出しにくい価格であるのも事実です。独自SSLなどの利用予定のない小規模WordPressサイトであれば、ロリポップ!やミニバードも十分に期待に応えてくれるはずです。

ご自身の予算と目的に応じて、負担のかからない範囲でレンタルサーバーを選んでください。そしてぜひ素敵なWordPressサイトを作ってください。