企業・組織においてとくに利用頻度の高いソフトしてグループウェアがあります。代表的なものとしては「サイボウズ」や「desknet’s(デスクネッツ)」が有名ですが、近年では「Aipo(アイポ)」なども少しずつ知名度を上げています。
こうしたグループウェアの利用も、導入方法によってはレンタルサーバー選びと大きく関わってきます。当記事では導入方法の違いから順を追って解説しますが、もし具体的なおすすめサービスをすぐに知りたい場合はまとめの項をご覧ください。
※この記事はVPSや専用サーバーではなく、一般的なレンタルサーバー(共用サーバー)を対象としたものとなります。
目次
グループウェアの導入方法は大きく2通り
サーバーに依存しないクラウド型
グループウェアを導入するための方法として、近年主流になりつつあるのがクラウド型です。
インターネットを通じていわゆるウェブサービスのような感覚で利用するため、そもそもサーバー環境を自前で用意する必要がありません(当然レンタルサーバーも必要としません)。またSSLによる通信暗号化が使えるため、社外からアクセスする際もセキュリティ確保が簡単というメリットもあります。
なお利用料金については、1ユーザーごとに月額課金が発生する仕組みです。ユーザーあたりの月額は400~500円程度と手頃ですが、(継続的に費用が発生しつづけるため)長期利用では後述のパッケージ型よりもコストパフォーマンスは悪くなります。
パッケージ型(インストール型)
一方で、自前のサーバーにソフトウェアをインストールして動かす方法がパッケージ型です。
クラウド型と比較した場合、サーバー環境を用意する必要があるため、運用そのものは手間がかかります。また社内(イントラネット)の自社サーバーを用いる場合、社外からのアクセスに際してのセキュリティ対策も複雑になります。
もっともレンタルサーバーを借りてインストールする場合は、SSL通信が導入可能です。つまりセキュリティ面は手軽に確保できます。ただグループウェアのインストールには管理者権限が必要なため、(VPSや専用サーバーは別として)一般的な共用レンタルサーバーでは利用できるところが限られます。
※このあと紹介しますが、共用レンタルサーバー事業者側で最初からグループウェアを利用できるようにしているサービスが存在します。
注意点の多いパッケージ版ですが、メリットとしては初期費用のみで利用できることが挙げられます。初期費用は最低でも数万程度~と高額ですが、継続して課金されるわけではないので長期的にはクラウド型より経済的です。利用ユーザー数にもよりますが、1年~1年半以上利用するなら、パッケージ版の方がお得になるケースが多いです。
クラウド型が無料で使える「CPIレンタルサーバー」
ここからはグループウェア導入におすすめのレンタルサーバーについて、具体的なサービス名とともに紹介していきます。
まず最初に紹介したいのが、KDDIグループ運営による法人向けサービスである「CPIレンタルサーバー」です。
無料で30ユーザー&容量3GB
CPIの最大のポイントは、「iQube+(アイキューブプラス)」というクラウド型のグループウェアを30ユーザーまで無料で利用できるという点です。
iQube+はサイボウズ・デスクネッツ等に比べると知名度では劣りますが、基本的な機能はしっかり備えています。導入実績も9000社以上あり、グループウェアを手軽に使いたいという場合には、これで十分なケースも多いはずです。
じつは、もともと通常版のiQube+10ユーザーまで無料のサービスとして提供されています。しかしCPI版ではこれが30ユーザーまで無料と大幅に拡張されています。またファイル共有などに使える容量も、通常版では10MBのところをCPI版では約300倍となる3GBを利用できます。
年間10~20万円近くお得になることも
クラウド型にしろパッケージ型にしろ、グループウェア導入の大きな悩みとしてかなりの費用がかかるということがあります。
たとえばサイボウズOffice10を30ユーザーまでクラウド版で運用した場合、「540円×30ユーザー×12か月=194,400円」と20万円近い費用がかかります。しかもこれは初年度だけではなく、毎年継続的にかかる費用です。パッケージ版にすれば初期費用だけで済みますが、それでも10万以上かかることがほとんどです。
CPIは月額4104円(税込)と、当サイトで紹介しているサービスの中でも高額です。しかしグループウェアの10万・20万といった経費が無料になることを考えると、実質的なコストパフォーマンスは圧倒的に優れています。
サイボウズ等の本格的なソフトウェアでなくても大丈夫という中小企業であれば、CPIを一番におすすめします。
desknet’s NEOがお得に使える「WebArena SuiteX」
またもっと本格的なグループウェアを導入したという場合には、NTTブランドのビジネスサーバーである「WebArena SuiteX」があります。
このSuiteXでは有料オプションとして、サイボウズと並んで有名なdesknet’s NEO(デスクネッツネオ)のパッケージ版を利用することができます。
なお本来はdesknet’s NEOは共用サーバーでは利用できないのですが、特別に対応した「desknet’s-e NEO」というソフトウェアが用意されています。管理人が知るかぎりでは、SuiteXでしか提供されていないものになります。
しかも5ユーザーまたは10ユーザーの利用に関しては、通常のdesknet’s NEOよりもさらに安くなっています(20ユーザー以上は通常価格と同じ)。またクラウド版を別途導入する場合と比べても、5ユーザーなら17か月以上、10ユーザーなら13ヶ月以上、20ユーザーなら10か月以上利用するだけでコストパフォーマンスで上回ります。
※料金は通常のスモールライセンス版と比較した場合のものです(2016年時点)。
そのほかのサービス
このほかのレンタルサーバーとしては、「カゴヤ」と「スマイルサーバ」にてサイボウズOffice10のパッケージ版が利用できるようになっています。
ただし価格は通常(公式)のパッケージ版とまったく同じです。またレンタルサーバー自体の機能・スペックも前述のCPI・SuiteXに比べて優位点が少ないです。どうしてもサイボウズでないと困るというのでない限り、現状では選ぶ理由は少ないと思われます。
まとめ
グループウェアを導入する方法としてはクラウド型とパッケージ型がありますが、どちらの方法にしても料金面でかなりの費用がかかります。
ただCPIレンタルサーバーであれば30ユーザーまで無料でグループウェア(iQube+)を使えるため、小規模な運用であれば非常におすすめです。
・当サイトによる紹介記事:CPIのレビューと評価
次点として、本格的なグループウェアであるdesknet’s NEOの運用にも対応したWebArena SuiteXもあります。ただしこちらは数万円単位の初期費用がかかる有料オプションとなるため、目的と予算をよく検討の上でご利用ください。
・当サイトによる紹介記事:WebArena SuiteXのレビューと評価