レンタルサーバーの稼働率(99.9%等)とSLA(品質保証)の誤解と真実

ウェブサイトを常に安定して表示させることは、いわばレンタルサーバーの本質とも言えます。だからこそ、サーバーの安定性というのは選ぶ上でとても大切な要素です。とくに法人向けサービスにおいては、最重要といってもいいかもしれません。

ところがこの安定性の指標となる「稼働率」や「SLA(品質保証)」というのは、非常に誤解されやすい要素です。ここではそれぞれの用語の意味と注意点について、詳しく解説していきます。

稼働率について

まず「稼働率」についてですが、これは「サーバーが停止することなく動きつづけていた時間」を割合で示したものです。基本的にサーバーというのは停止すべきではないものですから、この稼働率も高い数値になってきます。

当サイトを開設した2010年頃は、安定性が高いことを謳うサービスでは「99.9%以上」という表記がわりと多く目につきました。しかしそれから5年以上が過ぎた現在では「99.99%以上」をアピールしているところが増えています。

99.9%と99.99%の違い

というのも、じつは前者の99.9%というのは信頼性としては不安のある数値です。言い換えればこれは年間0.1%の停止時間があるということですが、時間に換算すると、24×365×0.1=「8時間46分」に相当します。

もしこの停止が平日の日中に起こった場合を考えると、(企業や組織では)その営業日ほぼ丸一日ウェブサイトが見れない・メールが使えないという事態になります。リスクとしてはかなり高いものになります。

しかしこれが「99.99%」まで水準が上がると、年間停止時間は先ほどの10分の1の「53分」になります。ここまで短縮されると、仕事に致命的な影響が出る可能性も低くなります。

こうした理由もあって、近年は各社ともに稼働率は上昇傾向にあります。現在ではロリポップ!のような格安レンタルサーバーであっても99.99%を達成しているところがあります。

稼働率の数値に関する注意点

ただし99.99%という数値が公式サイトに書かれていても、それだけで安心するべきではありません。なぜなら、その数値が「どのような集計を元に割り出されたものなのか」を明記していないサービスもあるからです。

一般的には年間での稼働時間を元に計算することが多いですが、もしかしたら直近一ヶ月間だけの集計結果かもしれません。だとしたら、半年前に大きな障害があったとしても、現在の数値には影響が及ばないことになります。

たとえば具体的なサービス名を出してみると、お名前.comの共用サーバープランは稼働率99.99%と公式に記載があります。しかし注釈として2012年の実績であることが小さく付け加えられています。※記事執筆時点の2016年8月に確認

もちろん、このことだけでお名前.comが問題のあるレンタルサーバーだと評するわけではありません。単純に表記の更新を忘れているのかもしれません。ただ他社を含めて、数値を鵜呑みにするのではなく、集計期間等のデータもチェックすべきなのは確かです。

安定稼働とイコールではない

もうひとつ知っておいてほしいのは、稼働率が高いことは、安定稼働とそのままイコールではないということです。

多くの場合、安定稼働という言葉は「ウェブサイトがいつも快適に表示される状態」として捉えられます。しかし稼働率(無停止時間)というのは、あくまでも「サーバーが止まってはいない」状態を示すにすぎません。

たとえばテレビやSNSなどで取り上げられて、自分のウェブサイトにアクセスが急に集中したとします。この場合、レンタルサーバー(共用サーバー)ではある段階で人数制限がかかってサイトが見れなくなったり、あるいは見れるにしても回線が逼迫して表示がとても遅くなったりします。

しかしサーバーそのものが止まってしまっているわけではないため、こうした時間は停止時間(ダウンタイム)には含まれません。本当に安定性が高いサーバーを求めるならば、稼働率だけでなく、サーバーの高速性なども加味する必要がある、というわけです。

SLAについて

また「SLA」というのも、レンタルサーバーが自社の安定性をアピールする際によく用いるものです。SLAは「Service Level Agreement」の略で、日本語にすると「サービス品質保証制度」となります。

なおSLAは他の分野でも用いられることのある用語です。たとえばネット回線などであれば回線速度を保証することを意味します。そしてサーバーにおいては、一般に「稼働率保証」という表記が割り当てられることが多いです。「SLA100%」や「SLA99.9%」のようになんらかの稼働率の数値と併記されます。

実際には保証というより保険

しかしたとえSLA100%であっても、それは「サーバーが止まらないことを確約するものではない」ことに注意が必要です。「保証」と聞くと、その稼働率がいつどんなときも達成されると約束されたのだと思い込みがちですが、実際には意味合いが違っています。

レンタルサーバーにおけるSLAとは「もしその稼働率(例:100%)を切ってしまうことがあったら、サービス料金の一部返金を行う」という制度だからです。

いわば、仕組みとしてはむしろ保険に近いものだとも言えます。火災保険は火事が起こらないことを約束するものではなく、火事が起きた場合にお金を支払うという制度ですが、これと似ています。

返金対象は月額が一般的

ただしSLAの場合はさらに注意点があります。たとえば火災保険や地震保険は、万が一の際には非常に大きな金額が支払われます。しかしレンタルサーバーのSLAでは、主に月額料金、それも場合によっては10%や30%といった範囲での返金になります。

たとえば月額4000円のSLA付きサーバーを借りていたとしたら、全額返金でも4000円が上限です。もしビジネスやEC等の用途に使っていた場合、長時間の障害だと数十万や数百万といった機会損失が発生することもあるかもしれません。しかし、そうした損失に対する補填はありません。

停止時間と見なされない場合がある

くどくどと注意点ばかり述べることになってしまって申し訳ないのですが、SLAについてはさらに気をつけるべきことがあります。それはサーバーが停止していても、SLAの対象にならないケースがあるということです。

レンタルサーバーは通常、ウェブサーバー(ウェブサイト公開機能)とメールサーバー(メール送受信機能)を兼ね備えています。しかしこのとき、SLAの対象になるのはウェブだけ、つまりメール運用できないことは保証外だったりします。あるいはウェブ・メールの両方が止まってはじめてSLA対象となるといった場合もあります。

しかも多くの場合、SLAの返金は自動的に行われません。ユーザー自身で申請を行ってはじめて、返金が行われるという仕組みになっています。

SLAは過信しない

ここまで様々に注意点を書いてはきましたが、SLAを採用しているということ自体は決して悪いことではありません。
※SLAが止まらないことを確約しているかのように表記されがちなことは問題だと思いますが。

そもそも共用サーバーに限らず、完全な無停止というのを実現するのは困難です。それに対して「もしもの場合には返金」というリスクをレンタルサーバー側が自らに課している以上、稼働率向上への意識は高いはずです。

SLAはそれ単体ではあくまで返金制度に過ぎないことを知っておき、他の面でどのような安定性向上のための工夫が取られているかをしっかりチェックすることが大切です。

稼働率とSLAの実態を踏まえた上でのおすすめサービス

ここまで稼働率とSLAの注意点について解説してきましたが、ではそうした実態を踏まえた上でおすすめできるサービスはあるのかというと、じつはひとつあります。シックスコアという法人向けレンタルサーバーです。

このシックスコアのなにがすごいかというと、稼働率に関する情報が細部までことこまかに公開されていることです。

シックスコアは稼働率をサーバーごとにすべて公開
シックスコアの公式サイトの上部メニュー「サービス」→「サーバー稼働率」と進むと最新データが確認できます。画像では一部のみキャプチャしていますが、実際には24ヶ月分のデータが掲載されています。なおデータは記事執筆時の2016年8月時点のものです。

  • 全サーバーの稼働率を(一台ごとに)個別に公開
  • 直近24ヶ月(2年間)の稼働率をすべて公開し、毎月更新
  • メール・ウェブ・FTPサーバーごとに分けて稼働率を公開

しかも情報の透明性に優れているだけでなく、実際の稼働率も格段に優れています。創業以来、一度も年間で99.99%を割ったことがありません。ほぼすべての月で無停止を実現しており、実質99.999%以上、限りなく100%に近い実績を保っています。

SLAのような返金制度はありませんが、そうした保険ではなくこれまでの「実績」としてここまで安定しているサービスは本当に貴重です。もちろん将来的に絶対にトラブルが起こらないという保証はありませんが、現状のレンタルサーバー(共用)としてはトップクラスの信頼性を誇ります。

もちろんその他の機能面も優れており、当サイトでも法人向けランキングの1位としておすすめしています。より詳しい特徴や選ぶ上での注意点については「シックスコアのレビューと評価」の記事をあわせて参考にしてください。