MT4用VPS・クラウドの利用方法

MetaTrader4の24時間稼動

FX(外国為替証拠金取引)の自動売買ソフトとしてもっとも有名なものにMetaTrader4(通称MT4)があります。MT4はWindowsマシンであれば自宅のパソコンでも簡単にインストールすることができますし、実際に売買取引を行うことも可能です。

しかしながら、MetaTraderはソフトが起動しているときしか取引を行ってくれません。つまり24時間取引を行おうと思うならば、常にパソコンの電源をつけっぱなしにしておかなければなりません。
※ただし指値注文等は一度出しておけばずっと有効ですので、チャートが変動して指定した条件を満たせば(ソフトが起動していなくても)自動的に発注されます。

もっとも、MT4をたんなる高機能なFXツールとして使うだけ(実際の注文は手動で行う)であれば、自分がパソコンの前に座っているときだけの起動でも問題はありません。

ただメタトレーダーは「自動売買ソフト」という言葉にも表されるように、本来は注文用プログラム「EA(Expert Advisor)」を常時稼動させるためのものです。つまり24時間稼動させるシステムトレードが最適な利用法となります。

サーバーやクラウド上での稼動がおすすめ

とはいえ、自宅のパソコンを常に電源オンにしておくというのは難しいものがあります。外出や旅行中につけたままにするのは危険ですし、また就寝中でも本体からの熱が発生したりファンの騒音があります。

また、そもそも個人向けパソコンのOSは24時間稼動を前提として作られていませんから、ともすると熱暴走によってフリーズしてしまったり、あるいはWindowsUpdate等の更新によって勝手に再起動がかかったりします(アップデートに関しては設定で一時的にオフにすることは可能ですがセキュリティ上の危険が伴います)。

そこで現在MT4等のシステムトレード用ツールは、自宅環境ではなくレンタルサーバーやクラウド上で動かすのが一般的になっています。

サーバーOSはもともと24時間の安定稼動を重視して作られていますし、なにより自宅のパソコンと切り離されています。そのためサーバー・クラウド上でMetaTraderを起動&EAを稼動させておけば、あとは自宅パソコンはいつ電源をオフにしてもまったく問題ありません。

WindowsOSのVPSやクラウドを利用

ただし一点だけ注意しなければならないのは、MT4稼動のためのシステムはWindows系OSでなければならないことです。一般的なレンタルサーバーはLinux/Unix系OSが主流となっているため、必ずWindowsServerを選択する必要があります。

WindowsServerの利用は専用サーバーでも可能ですが、費用が高額になるため、現在はVPS(仮想専用サーバー)またはMT4専用のクラウドサービスを使うのが一般的です。なお、当サイト推奨のMT4用のサービスについては下記で紹介しています。

参考:MT4(MetaTrader4)利用に適したクラウド・VPSランキング

上記リンクのなかでもとくにおすすめなのが「お名前.comデスクトップクラウドforFX」です。実際に管理人もこのサービスを利用してMT4およびEAを稼動させています。利用しているのは一番低価格のメモリ1GBのプランではありますが、非常に快適に動作しています(なお現時点ではMT4本体は一個、EAは常時1~2個稼動させています)

よくある質問と回答

MT4用のサービスについてよくありそうな質問とその回答を幾つかあわせて記載します。

どうやってサーバー(クラウド)上のMetaTraderを操作するのですか?

MT4用のサービスはすべてWindows系のサーバー用OS(WindowsServer2012など)で動作しています。これらOSには「リモートデスクトップ接続」と呼ばれる機能があり、外部からの接続および操作がいつでも可能になっています。

具体的には、たとえばサーバー上で稼動させているEAを停止させたいと思ったら、自宅のパソコンの電源を入れてリモートデスクトップ接続ツールを起動します。するとデスクトップ画面上に大きなウィンドウが開き、そのなかにサーバー上で稼動しているWindowsのデスクトップ画面が入れ子のように表示されます。

リモートデスクトップのウィンドウ内にマウスを持っていくと、自宅パソコンと同様にサーバー上の画面も操作できます。そのままMT4の画面でEAを停止させるボタンを押せば停止可能です。もちろんそのほかキーボードによる入力等も問題なく受け付けてくれます。

MetaTraderはどうやってインストールすればいいですか?

お名前.com for FXのような専用サービスを使う場合は、メタトレーダーは最初からインストールされた状態で提供されます。そのためすぐに取引を開始することが可能です。

ただしFX業者によっては、その業者専用にカスタマイズされたMT4のインストールが必要な場合もあります。もっともこの場合でも、リモートデスクトップ画面からブラウザを起動して指定のソフト(MT4)をダウンロード、ダブルクリックして実行し、そのまま通常のフリーソフト同様に簡単にインストール可能です。

なおVPSの場合は初期設定でMT4が用意されていることはないため、上記同様にブラウザから自分でMT4をダウンロードしてインストールしてください。

口座はどこで作ればいいですか? お名前.com等で作成できますか?

お名前.com for FXなどは、あくまでもサーバーやクラウドといったシステムを提供するサービスであり、FX業者ではありません。そのため、FX口座に関しては必ず別途どこかのFX業者にて契約する必要があります。(つまり、お名前.comで口座も作る、ということは不可能です)

またもっとも注意しなければならないこととして「FX業者はどこを選んでもいいわけではありません。必ずMetaTrader4の利用に対応している業者を選んでください」。

MT4を使ったシステムトレードはまだまだ普及途上のため、多くの業者では利用に対応していません。それこそFX業者比較サイトなどでランキング上位に入っているサービスであっても、MT4利用には対応していないことが多々あるので気をつけてください。

自宅のパソコンがMac(Macintosh)でも利用は可能ですか?

可能です。MT4はWindowsServerのVPSやクラウドで稼動していますが、そこに繋ぐための端末としての自宅PCはWindowsであってもMacであっても問題ありません。

なおMacの場合は標準では「リモートデスクトップ接続」機能がありませんが、Microsoftから「Remote Desktop Connection Client for Mac」と呼ばれるMac用の接続ツールが無料で提供されているため、これをインストールすれば接続可能となります。

そのほか注意すべきことはありますか?

WindowsServerは、24時間稼動を前提として作られたサーバー用のOSであるため安定性には非常に優れています。ただし、WindowsUpdate等によるセキュリティパッチ配布があるのは通常のOSと変わりません。

そのためFX業者の取引が停止となる週末(土日)には、アップデートがないかのチェックを行うことをおすすめします。またアップデートがない場合でも、できれば一度再起動をしておくとより安心です。
※ただし「使えるねっと」のような一部サービスでは、ユーザーによる手動WindowsUpdateは禁止されている場合もありますのでご注意ください。

またVPSにしろクラウドにしろ、ディスク容量として数十GB以上が割り当てられているはずです。MT4のソフトそのものではこうした容量は十分にすぎるものですが、日々EA稼動を続けているとログファイルが溜まることで容量を圧迫することがあります。

あまりに残り容量が少なくなると、EAの稼動そのものに支障が出る場合もあるため、ディスク容量は定期的に確認するようにしてください。