mixhost(ミックスホスト)のレビューと評価

共用レンタルサーバーながら、クラウドの利点を取り込んだサービスです。やや中級者以上向けとなりますが、コストパフォーマンスを重視して選ぶ方におすすめです。

公式サイト MixHost

総合評価:80点

クラウドの利点を取り込んだレンタルサーバー

※mixhostは(当サイトの観点では)中級者以上向けのサービスとなります。そのため他のレビューに比べて、当記事では専門用語などがやや多めになっています。ご了承ください。

安定した環境&柔軟なプラン変更

mixhost(ミックスホスト)の最大の特長が、クラウドサーバーの利点を取り込んでいることにあります。

第一に、CPUやメモリなどのリソース割り当てがユーザーごとに区切られています。そのため、よくある問題のひとつである「サーバーの同居ユーザーが負荷の高い処理を行っているせいで、自分のウェブサイトまで重くなる」といった問題が起こりにくいです。

これは通常は、クラウドサーバー(あるいはVPS)における特長です。しかしmixhostは一般的な共用レンタルサーバーながらも、この性能切り分けを実現しています。実際、各プランにおいては割り当てられる仮想CPUコアの数や、メモリ量が明記されています。

第二の利点として、CPUやメモリなどの性能を一時的に変更することができます。たとえば、ニュースで取り上げられて急にアクセスが殺到したといった場合、臨時で上位プランに変更して処理性能を上げて対応することができます。
※必要がなくなれば元の下位プランに戻すこともできます。なおプラン変更があった場合、月額はそのぶん日割りで再計算されます。

さすがに完全なクラウドと違い、メモリのみ増強するなどの個別変更は無理ですが、それでもリソースを一時的に引き上げられるという安心感は大きいです。

使い勝手とコストパフォーマンスを両立

ただし、従来のクラウドやVPSは利用のハードルが高いものでした。UnixやLinuxに関する知識・コマンド操作・SSH接続など、サーバーに関する知識が一定以上必要だったからです。

しかしmixhostはあくまでも実体は共用サーバーであるため、そこまで深い知識を必要としません。管理画面もちゃんと用意されていますし、よく使う機能はすべてマウス操作で行うことができます。

また同時に、クラウド・VPSの特徴だった優れたコストパフォーマンスも実現しています。一例を挙げると、(VPSの代表格である)さくらのVPSでは、月額880円でCPU仮想2コア・メモリ1GB・SSD30GBを利用できます。これに対してmixhostはほぼ同価格帯の月額1,078円ながら、CPU仮想4コア・メモリ4GB・SSD250GBといずれも圧倒的に優位な性能で利用できます。
※ともに12ヶ月契約時の税込料金で計算しています。

機能面も充実

バックアップからセキュリティまで幅広く充実

また機能面の充実ぶりにも目を見張るものがあります。マルチドメインやサブドメインは無制限、MySQL(正確にはMariaDB)データベースもディスク容量内であれば無制限に作成できます。

さらに外部バックアップ環境に関しては、1日ごとに14日間分が保存され、データ復元についても無料で行うことができます。これも個人向けサーバーとしてはエックスサーバーと並ぶ長期保管となっています。

またセキュリティ面も非常に充実しており、外部からの不正アクセスを自動で検知および防御するIPS/IDS、ウェブサイト上の脆弱性から守るWAFをすべて標準搭載しています。

数多くの最新技術を導入

最新技術が非常にたくさん導入されているのも特長のひとつです。ウェブサーバーからして、LiteSpeedという新しいものを利用しています。これは古くからあるApacheに比べて圧倒的に速いはもちろんのこと、近年人気が出ているNginxにも匹敵、あるいはそれ以上とされる高速性を備えています。

そのほか、通信規格も最新のHTTP/3にも対応。ウェブサイト・ブログ制作ツールであるWordPressでもキャッシュ機能が使えるなど、とにかく速さにこだわった技術が多く取り入れられています。

注意すべきことは

ただし、mixhostは当サイトとしては「人を選ぶ」サービスだと考えています。とくにまったくの初心者におすすめしません。理由としては以下のようなものがあります。

新興企業の新サービス

もっとも大きな注意点が、今後がまだまだ不透明なことです。mixhostは2016年6月にリリースという比較的新しいサービスです。さらに運営企業であるアズポケット株式会社も同年4月創業で、やはり新興企業です。

なお2021年現在ではリリースから5年以上が経過しており、その間随時のスペックアップや機能追加は行われきました。よくある「ある時期においては優れていたのに、他社のスペック増強についていけなかった」パターンに陥る可能性は低くなってきています。

ただ、そのかわりにサーバーの安定性に関しての不安の声が、若干ですがSNS等で漏れ聞こえてくるようになってきました。エックスサーバーなどに比べるとこの辺りはもう一歩という印象です。

そのほかmixhostはキャンペーン内容が独特なものが多く、たとえば「5年一括契約すると、その後半永久的に無料で利用できる」といったものも過去にありました。正直に言えば、その施策で長期的に採算が取れるのかどうか不安になってしまうところもあります。そうした点からも、ややおすすめしづらくなっています。

そのほかの初心者向けでない点

また初心者におすすめしない理由は、他にも幾つかあります。まず電話サポートがないため、トラブルにぶつかってもメールでのやりとりで解決する必要があります。

それからこれは私見ですが、管理画面がやや使いにくいです。mixhostではcPanelという世界的に有名なツールを入れているのですが、(昔に比べると随分良くなったのですが)純国産の国内レンタルサーバーの画面に比べると、直感的に使いにくい部分が個人的にはあります。

また最新技術の導入などに積極的なせいもあるのか、やや技術者寄りな部分があり、マニュアルなども何気なく専門用語が出てきたりするので、そうした点も初心者には辛い部分かと感じます。

初心者であれば、15年以上の実績を持つエックスサーバー、もしくは低価格と親しみやすさのロリポップ!のどちらかを選ぶのがやはり安心かと思います。

評価まとめ

注意点ではとくに初心者向けでないことを中心に書きましたが、逆に言えば、ある程度知識がある人にとっては最新技術が多く使われた面白いサービスでもあります。

特になにか大きなトラブルに見舞われても自分でサーバー移転ができる知識を持った方であれば検討の価値はあるかもしれません。初期費用も無料のため、実験的な利用にも向いています。

なおmixhostは、以前は10日間の無料お試し期間を設けていましたが、現在ではこれは30日間の返金保証に変更となっています。お申し込みの際はご注意ください。

料金と機能

機能 スタンダード プレミアム ビジネス ビジネスプラス エンタープライズ
初期費用(税込) 0円
月額(税込) 1,078円 2,178円 4,378円 8,778円 17,578円
ディスク容量 250GB 350GB 450GB 550GB 650GB
メールアカウント数 無制限
メール関連機能
メール転送
メール自動返信
Webメール
メールウイルス駆除
スパム対策 ○(SpamAssassin)
高機能スパム対策 ×
ドメイン関連
マルチドメイン 無制限
サブドメイン 無制限
その他機能
FTPアカウント数 無制限
webdav
cron
SSH
転送量 18TB/月 24TB/月 30TB/月 36TB/月 42TB/月
CGI・プログラム関連
独自CGI
Perl
PHP
Python
Ruby
データベース関連
MySQL ○(MariaDB)
MySQLのDB数 無制限
PostgreSQL ×
PostgreSQLのDB数 ×
SQLite
データ保全
RAID RAID1 / RAID10
外部バックアップ
データ復元
SSL
共用SSL
独自SSL取得代行 無料独自SSL(COMODO)
独自SSL持ち込み ○(SNI SSLに限る)
CMSの利用
MobableType
WordPress
サポート
電話サポート ×
その他サポート メール
申し込み関連
支払い方法 カード/銀行振込/PayPal
領収書発行 ○(PDF)
お試し期間 30日間返金保証
備考 WebサーバーはLiteSpeed、HTTP/3対応、QUIC対応
  • ※「×」は対応不可、「-」は対応不明を表しています。
  • ※月額は年間(12ヶ月)申し込みをした場合の金額を記載しています。