レンタルサーバーのMySQLデータベースはいくつ必要?

現在は多くのレンタルサーバーで、MySQLデータベースという機能が提供されています。ただしサービスやプランによって、実際に作成できるデータベース数には大きな差があります。たとえば0個(利用不可)という場合もあれば、1個、5個、50個、無制限など様々です。

では実際のところ「そもそもどういうときに必要なのか」、そしてまた「いくつ作成できれば安心なのか」について、この記事では解説していきます。

WordPressを用いたウェブサイト制作に必要

WordPressの動作条件にMySQLがある

そもそもMySQLとはなにかと言えば、無料のデータベースソフトの一種です。

「データベース(DB)」と聞くと、なんとなくプログラミングなどの専門家にのみ関係するものであり、一般ユーザーには無縁のものと思いがちかもしれません。ですが、じつは多くのユーザーに関係があります。

というのも、現在のウェブサイト制作では、WordPress(ワードプレス)のような便利な管理ツールを用いることが増えています。このWordPressの動作条件にもMySQLが含まれており、一般ユーザーであってもDBに接する機会は多くなっています。

なぜデータベースが必要か

では一歩踏み込んで、なぜWordPressを使うのにMySQLが必要なのでしょうか。それはWordPressでは、ウェブサイトの情報をデータベースで管理しているからです。

たとえば投稿記事の本文は、(初期設定通りなら)「wp_posts」というテーブル(表)に格納されています。あるいはコメントであれば「wp_comments」というテーブルに格納されます。そしてさらに、どの記事にどのコメントがついたのかといった紐付け(関連付け)をするために、全体をまとめてくれるDB管理システムが必要になります。

データベース数とWordpressサイト数の関係

さて、いよいよ「結局いくつ必要なのか」という問題に入っていきます。
いきなり結論から言ってしまえば、原則として「1つのWordPressサイトにつき、1つのデータベースを使う」という形がベストです。

つまりWordPressサイトを複数運営する予定がある場合、少なくともその数以上のデータベース(DB)作成に対応しているサービスを選ぶことをおすすめします。

たとえば格安レンタルサーバーで見てみると、ロリポップ!のライトプランは月額270円から利用できますが、DB作成数は1個だけです。しかし一つ上位のスタンダードプランにすると、月額は540円になるものの作れるDB数は一気に30個に増えます。もし複数サイト運営が必要ならば、間違いなくスタンダードプランがおすすめです。

このように作れるMySQLデータベース数の数が、どのレンタルサーバーを選ぶかという問題に密接に関わってきます。

参考:1つのDBに複数のWordPressサイトを入れる場合

※この項はやや技術的な解説になりますので、もし難しく感じる場合は読み飛ばしてまとめに進んでいただいても構いません。

接頭辞(prefix)を変えると複数同時に動かせる

ただし、じつは1つのDBで複数のワードプレスを稼働させることも可能です。

たとえば投稿記事は「wp_posts」というテーブルに格納されると前述しましたが、では新たに2個目をインストールする際に「wp2_posts」という名前のテーブルを作る設定にすればどうでしょうか。こうすれば1個目とは名前がかぶらないため、同じデータベースの中に同居できることになります。
※このほかにも「マルチサイト」という機能を使う方法も別途あります。ただし、これはどちらかと言えば関連性のあるブログ・ウェブサイトを一元管理するのに向いた機能であり、ここでは説明を割愛しています。

テーブルの頭の名前(接頭辞・prefix)を変える方法はかなりメジャーなのですが、当サイトとしてはレンタルサーバー(共用サーバー)での利用はあまり推奨していません。というのも、幾つかの注意点があるためです。

運用およびセキュリティ上のリスク

MySQLに限らないことですが、データベースというのは予期せぬことで破損する場合があります。修復関連のコマンドで元に戻せたりしますが、少なくとも対応するまではウェブサイトが見れなくなってしまう危険があります。

もし複数のWordPressをひとつのデータベースに詰め込んでいた場合、こうしたトラブルが起きた際に、すべてのサイトが同時に見れなくなってしまいます。

またセキュリティ面のリスクもあります。単一のDBで運用しているということは、多くの場合はDBのパスワードも共通になっているということです。クラッキング被害なども全サイトに一気に及ぶ恐れがあります。

データベースのサイズ制限にかかる可能性

またレンタルサーバーならではの注意点として、DBのサイズの問題があります。意識されることが少ないのですが、じつは多くのサービスではDBのサイズになんらかの制限がかかっています。幾つか例を挙げると、以下のようなものです。

  • エックスサーバー:1個あたりの目安が5GB(全プラン)
  • スターサーバー:1個あたりの目安が1GB(ライト・スタンダードプラン)
  • さくらのレンタルサーバ:「全DBの総容量」の目安が3GB(スタンダードプラン)

通常は数百記事を入れていても1個あたり数十MB辺りに収まるはずですが、もし複数のWordPressを一つのデータベースに詰め込んでいるとサービスによっては上限にかかる可能性があります。

また導入したプラグイン(拡張機能)によってはサイズが大きくなりやすいこともあり、その意味でもやはり1つのDBに詰め込むのは避ける方が安全です。

自動インストール機能は使えない

現在多くのレンタルサーバーが、初心者でも簡単にWordPressが導入できるようにと、「自動インストール機能」を提供しています。しかしこの機能は自動で新たなデータベースの作成と割り当てまでを行ってしまいます。

つまり既存のDBに追加で別のWordPressを入れたい場合には、自動インストール機能は使えません。手動でインストールを行う必要があります。

サポート対象外になる場合がある

また複数のワードプレスを詰め込む形でインストールした場合、レンタルサーバーのサポート対象外となり、トラブルの際に質問できなくなる恐れがあります。

どこまでをサポート範囲としているかはサービスによって異なりますが、代表的なところを見てもエックスサーバーでは「自動インストール以外で入れた場合は対象外」としています。またロリポップ!ではそもそもMySQL自体がサポート対象外と記載されています。

注意点を踏まえた上で扱える中~上級者向け

ここまで説明したように、この方法には様々な注意点があります。もちろんこうした点を理解した上で実行できる中~上級者の方ならば問題ありませんが、少なくとも初心者の方にはおすすめしません。

まとめ

以上の話をまとめると、やはり当サイトとしては「1WordPressサイトにつき1データベース」という運用がもっとも安心・確実だと考えています。実際に管理人自身も複数サイトを持っていますが、すべてこの形で運営しています。

なお、ではどのレンタルサーバーを選んだらいいかについてですが、なるべく安く、それでいて複数運用を考えるのであればロリポップ!のスタンダードプラン(月額550円・MySQL50個)が定番です。

またデータベースというのは処理に時間がかかりやすいこともあって、レンタルサーバーの速度面でネックになってくることがあります。そうした面が心配な場合は、高速性と安定性を両立しているエックスサーバーのスタンダードプラン(月額1100円・無制限)をおすすめします。データベースひとつにつき5GB(目安)までOKで、そのうえ数も無制限に作成可能です。

そのほか法人向けサービスの場合は、(なるべく安定性を高めるためもあってか)サーバー負荷の高くなりやすいデータベースは作成数が制限される傾向にあります。当サイトで推奨しているものでもCPIは5個まで、WebArenaSuiteXは3個までと厳しめになっています。
ビジネス用途の場合は1契約でそこまで多くのサイトを作ることは少ないかもしれませんが、もしも多数サイトの同時運営を考えているなら注意したいポイントです。