無料サーバーと有料レンタルサーバーの違い

当サイトでは、主に有料のレンタルサーバー選びついての記事を掲載しています。ですが、世の中にはお金を支払うことなく利用できる無料のレンタルサーバーも存在します。
ここでは無料と有料でどのような点が違ってくるのか詳しく解説します。

一目で分かるメリット・デメリット

まず一目で違いが分かるように、表形式でメリット・デメリットをまとめておきます。各項目の詳しい意味や評価については後述します。

無料サーバーと有料サーバーの比較表

そもそもなぜ無料サーバーがあるのか

さて細かく両者の違いを見ていく前に、そもそもどうして無料運営のレンタルサーバーがあるのかを知っておきましょう。サービスの成立経緯が分かっていると、あとあとの理解もしやすくなります。

無料レンタルサーバーの主な運営理由としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 善意
  • 技術的な向上心
  • 有料サービスの間口拡大
  • オプション等による利益
  • 広告収入

じつは一口に無料サーバーと言っても、個人運営のものと企業運営のものがあります。

このうち個人のものに関しては、純粋な善意による提供というパターンもありえます。誰かの役に立ちたいという考えで、無償奉仕でサービスが提供されています。またたんなる善意だけではなく、自分自身のサーバー運営に関する技術を向上させたい、といった考えを含んでいる場合もあります。

一方でなんらかの利益が伴うものもあります。とくに企業があえて無料サーバーを提供している場合、そこに人を集めることで自社の認知を広めたり、そこから自社のレンタルサーバーへの乗り換えを期待したりなど、いわゆる間口拡大の意図があったりします。

また個人・企業どちらの場合であっても、機能制限を解除するためのオプション費用や、利用者のホームページ上に広告を表示することでの広告収入など、付随的な利益を期待している可能性もあります。

このように、(単純にサービスそのもので収益を上げようとしている有料レンタルサーバーに比べると)無料の場合はその提供理由は複雑になっています。

具体的な違いの解説(8項目)

ここからは冒頭の表にまとめた各項目ごとに、それぞれのメリット・デメリットについて説明してきます。

費用

費用の違い

まず費用面ですが、当然これは無料サーバーに軍配が上がります。有料オプションなどを提供しているサービスも一部あったりはしますが、そうした機能は使わなければ完全無料で利用できてしまいます。

一方、有料サーバーはお金がかかります。ただし近年では、月額100円~300円程度の格安プランであっても、昔では考えられないほど快適な環境が手に入るようになりました。コストパフォーマンス自体は非常に良くなってはいます。

サービスの継続性

サービスの継続性

今後も安定してサービスが継続されるのかどうか、という項目です。そして、ここが無料サーバーの大きな問題点でもあります。

前述したように、無料サービスは個人の善意や技術の勉強などを目的として運営されていることも多いです。この場合、その個人の身辺事情が変わったりすると簡単にサービスが終了してしまいます。また企業運営の無料サーバーであっても、採算がとれない等の理由で閉鎖する例は少なくありません。

もちろん有料のレンタルサーバーであっても運営終了のリスクは常にあります。しかし収益が安定して上がっている大手サービスであれば危険性は低く、また万が一終了するという場合も、ホームページアドレスそのままで他社に乗り換えられます。

独自ドメイン設定

独自ドメイン設定が可能かどうか

ドメインとは「google.com」のように、ホームページアドレスのメイン部分を示すものです。とくに自分で取得したオリジナルの名前を独自ドメインと呼び、その場合はレンタルサーバーを乗り換えてもアドレスが変わらずに済みます。つまり、万が一のサービス終了に対する保険にもなります

しかし無料サーバーでは独自ドメイン設定が不可となっている場合も少なからずあり、この場合はサービス終了に伴ってアドレス変更を余儀なくされます。なお独自ドメインは長期的にホームページを運営するための最重要機能とも言えますから、有料サーバーでこれが設定できないことはまずありえません。

ディスク容量

ディスク容量

一般的なレンタルサーバーでは、一台のコンピュータ(マシン)内に複数のユーザーが同居しています。つまりハードディスクの容量も複数人で分け合って使っています。

しかし無料サーバーの場合は利用者が増えても収益に直結しませんから、どうしても一台のマシンになるべく多くのユーザーを詰めこもうとする傾向にあり、そのぶん1人当たりが使えるディスク容量も激減してしまいます。

たとえば当サイトでは、エックスサーバーという有料サービスを用いて運営しています。一番安いプランでも容量は200GBあります。しかし、同じ企業が母体の無料サーバー(エックスドメイン)では、使える容量は1GBです。じつに200倍もの開きがあります。

また多数のユーザーが一台に詰め込まれると、それだけ1人当たりが使える平均メモリ量やCPU性能も少なくなっていきます。そのためエラーが出やすくなったり、重くてウェブサイトが表示できないといった危険性も高くなります。

各種機能

サーバーで使える機能の違い

レンタルサーバーにはPHPと呼ばれるプログラミング言語を使う機能や、MySQLと呼ばれるデータベースを使う機能など、様々な機能が盛り込まれることがあります。

こうした機能は一見するとプログラムなどを作らないかぎりは無縁に思えますが、実際には便利なホームページ作成・管理ツールなどを動かすうえでの動作条件になっていたりして、一般ユーザーにも大いに関わってきます。

しかし負荷が高くなりやすい機能でもあるため、無料サーバーでは使えないことも多いです。その点、有料サービスでは月額300円程度のプランからPHP・MySQLがともに利用できます。

広告非表示

強制的な広告表示がないかどうか

サーバーというのは維持するだけでも、パーツの交換から24時間稼働の電気代など、様々な費用が必要となってきます。

そのため、いくら善意で提供されているものでも、こうした費用を賄うために広告収入を活用していたりします。よって無料サーバーだと自分のホームページ上に強制的に広告が表示されるケースは少なくありません。

一方で有料の場合は、サービスの契約そのもので十分に利益が得られますから、こうした勝手な広告表示が入ることはありません。

商用利用

商用利用の可否

ホームページを作って運営する場合、たんなる趣味のページではなく、なんらかの商用要素が伴う場合があります。

これはネットショップで商品を販売するような場合にとどまらず、たとえば自分のお店(個人商店)のページを開設したり、あるいはアフィリエイトと呼ばれるネット広告で収入を得ようとする場合も含まれます。

無料サーバーの一部ではこうした商用利用は規約によって禁止されていることがあるので注意が必要です。

サポート体制

ユーザーサポートの体制

代表的な有料レンタルサーバーというのはしっかりした企業が母体ですので、カスタマーセンターの人員なども多数抱えています。そのためメールでの問い合わせなどに対しても返信が比較的早く、なかには24時間以内の対応を約束しているところもあります。くわえて電話サポートなどを用意していることも多いです。

対して無料サーバーの場合、企業運営であってもサポートが一切用意されておらず、トラブルの解決等は基本的にすべてユーザー側で行わなければならないケースが多くあります。また個人運営の場合は、それこそサポート対応していても、1人ですべての問い合わせに答えているために返信までに非常に時間がかかったりします。

すべてを満たす無料サーバーはまず存在しない

ここまで違いを解説してきましたが、なかには無料であっても一部項目には対応しているところがあります。ただし「すべてを満たす無料サーバーはまず存在しない」ということは、しっかり理解しておく必要があります。

たとえば独自ドメインは設定できるけれどディスク容量は少なかったり、あるいは広告は非表示にできるけれど商用利用が不可だったりと、どこかに注意点が残るはずです。

まとめ

なんとなく無料サーバーと言うと、たんに費用が安いというメリットだけでなく、機能が少ないのでそのぶんシンプルで使いやすそう、といったイメージもあるかもしれません。

しかしここまで見てきたように、ことレンタルサーバーに関しては機能が少なかったりスペックが低かったり、あるいはサポートがなかったりなどの点はいずれも使いづらさに直結します。

ただ誤解しないでほしいのですが、だからといってむやみと高額のサービスを推奨するわけではありません。現在では有料でも月額300円程度から快適な環境が手に入る時代になっています。また契約も3ヶ月など短期間からと気軽にはじめやすくなっています。

そうした点を考えると、複数のデメリットを抱えつつ無料サーバーを使うよりは、低価格でもいいのでちゃんとしたレンタルサーバーを使っていただく方が将来的に後悔が少ないはずです。当サイトではそうした観点から、主に有料サーバーをおすすめしています。