総まとめ!独自ドメインのメリット・注意点・取得の流れまで

レンタルサーバーを借りてホームページやブログを作る際には、アドレス(URL)に自分だけのオリジナルの名前(独自ドメイン)を使用することができます。

この記事では、その独自ドメインの基本的な仕組みから、メリットや注意点、さらに実際に取得する際の流れについてまでを詳しく解説していきます。

そもそもドメインとはなにか

インターネット上の住所を名前で表す

ドメインはインターネット上の住所を表す

ドメインとは「google.com」のように、インターネット上でのアドレス(住所)を表すものです。もともと英語では「ドメイン(Domain)」という単語は領地・領土を意味するため、ここから転じて、ネットワーク内における自分の土地の住所としても使われるようになりました。

なお実際にはインターネット上の住所は「216.58.197.174」のように数値で管理されています。しかし数値形式だと人間にとって扱いづらいため、この数値に「google.com」のように「名前」を割り当てています。そのため厳密には「ドメイン名」と表記するのが正しいのですが、通例として「ドメイン」という表記だけで用いることも多いです。

ドメインは二つの部分から成り立つ

トップレベルドメインとセカンドレベルドメイン

たとえば「google.com」のように、ドメインは「.(ドット)」で区切られた「○○○.***」という形式で成り立っています。この区切られた後半(.***部分)を「トップレベルドメイン」と呼びます。

トップレベルドメイン(TLD)は、勝手に好きな文字列を割り当てることはできず、既存のものから選択することになります。代表的なものとして、.com / .net / .jp などがとくに有名です。

一方で、ドットで区切った前半(○○○部分)のことを「セカンドレベルドメイン」と呼びます。この部分については、自分の好きな文字列を取得して使うことができます。ただし住所が他人と重複したのでは問題が起こるため、まだ他の人に取得されていないものしか取ることができません。
※トップレベルドメインが違っていれば取得は可能です。たとえば「example.com」がすでに誰かに取得されている場合でも、「example.net」はまだ取得できる、といったことはよくあります。

※なお「△△△.co.jp」のように「co.jp」で後半部分がセットになっているものも一部存在します。この場合は「.jp」がトップレベル、「.co」がセカンドレベル、そして自由な文字列を取得できる「△△△」はサードレベルドメインになります。

自分で取得する or 間借りする

自分のウェブサイトに割り当てるドメインをどうするかについては、下記の二つの選択肢があります。

  • 自分でオリジナルのドメインを取得する(独自ドメイン)
  • 他の人が使っているドメインを間借りする

自分でドメイン取得(独自ドメイン)

まず分かりやすいのが、新しいドメインを取得するという方法です。

独自ドメイン

自分で好きな文字列(○○○部分)を決め、.com / .net / .jpなどの中から好きなもの(.***部分)を選べば、世界にひとつだけのオリジナルのドメイン(○○○.***)を取得できます。
このようにして取得した自分だけのドメインのことを「独自ドメイン」と呼びます。

他の人のドメインに間借り

独自ドメインを自分で取得しなくても、すでに他の人が使っているドメインを間借りさせてもらうという方法もあります。

無料ブログなどでは、じつはこの間借り形式で自分のアドレスが決まっています。たとえば下記の場合、「ameblo.jp」や「fc2.com」というのは他人のドメインです。そこに「/」や「.」で自分用のスペースを作ってもらっています。

サブディレクトリによるドメイン間借り

他人のドメインの後ろに「/」区切りで、自分専用のサブディレクトリ(フォルダ)を作ってもらうタイプ。

サブドメインによるドメイン間借り

他人のドメインの手前に「.」をさらに追加して、自分専用のサブドメイン形式にしてもらうタイプ。

レンタルサーバーを借りてウェブサイトを作る場合でも、じつはこの間借り形式が利用できます。たとえば当サイトでも使っているエックスサーバーだと「xsrv.jp」というドメインを借りて、「http://example.xsrv.jp」のようなアドレスを使うことができます。

独自ドメイン取得のメリット

では、(間借りという形式も選べるのに)わざわざ独自ドメインを取得するメリットはどこにあるのでしょうか。ポイントを3つ挙げてみます。

常に同じアドレスでウェブサイトが運営できる

もっとも重要なメリットが、ウェブサイトのアドレスが不変のものになることです。

レンタルサーバー乗り換えによりアドレスが変わってしまう

もしレンタルサーバーのドメインに間借りする形で運営していると、他社サーバーに乗り換えることになった場合にはドメインを変えなければなりません。つまり自分のウェブサイトのアドレスも変わることになってしまいます。

新アドレスへの誘導が上手くいかないと、古いサイトに訪問してくれていたユーザーを失う危険があります。また名刺やチラシなど多くの媒体で多数の変更作業も必要になりますし、SEO対策面でもデメリットばかりです。

独自ドメインならレンタルサーバー乗り換えでもアドレスが変わらない

その点、独自ドメインで運用しておけば、レンタルサーバーを乗り換えてもアドレスはまったく変えずに済みます。長期的にサイトを運営する予定があるのであれば、独自ドメイン取得はとても大きな意味を持っています。

分かりやすいアドレスが使える

ウェブサイトのアドレスを分かりやすいものにできるのもポイントです。

たとえばGoogle(google.com)でも、Yahoo!JAPAN(yahoo.co.jp)でも、ドメイン名に自社サービスの名前を含ませています。サービス名や企業名を含ませることで、認知度やブランド力を上げやすくなるからです。

また、ちゃんとお金と労力を出してドメインまで取得しているサイトであるという事実そのものが、それだけで(間借り形式のサイトに比べて)信頼感を得やすくなります。

SEO対策面でも有効

それからSEO対策面でも幾つかのメリットがあります。現在のGoogleは、(検索結果の多様性を保持するという観点から)同一ドメインのページは検索結果に数件までしか表示させないという方針をとっています。

たとえばアメブロだと「http://ameblo.jp/example/」という(同一ドメイン下での)サブディレクトリ形式を採用しています。この場合、自分より評価が高いアメブロが数件あるだけで、もう検索結果には自分のアメブロはまったく表示されなくなってしまいます。これに困って「レンタルサーバー+独自ドメイン」でのブログ運営に乗り換える人も多いです。

なおFC2ブログで使っているような「http://example.fc2.com」というサブドメイン形式であればこの問題は回避できます。ただ結局のところ他のドメインに間借りしていると、そのドメインのトラブルに巻き込まれるリスクが常にあります。過去にもFC2ブログのドメイン自体がGoogleからスパム扱いされ、検索結果に一切表示されなくなるといった問題が起こっています。

自分だけの独自ドメインを取得するということは、他人のサイトやドメインの影響に振り回されることのない、安全で確かなウェブサイト運営環境を手に入れるということでもあります。

注意すべきことは

基本的にメリットの多い独自ドメインですが、幾つか注意すべき点もあります。

取得は有料(年間1000円程度から)

ドメインの取得は有料になっています。費用がいくらになるかはトップレベルドメインの種類によって大きく変わりますが、「.com」や「.net」などの代表的なもので年間1000円程度が相場です。

ただし代表的なもののなかでも「jp」だけは価格が高く、年間3000円程度が相場です。これは「jp」ドメインは取得に際して日本国内在住ということが条件にあり、悪意あるサイトやスパムサイトに用いられることが少なく、安全性・信頼性の高いドメインであることが影響しているようです。さらに日本国内で登記されている法人でなければ取得できない「co.jp」になると、年間4000~5000円程度になります。

取得後は設定が必要

独自ドメインはたんに取得するのではなく、設定作業が必要になります。

冒頭の解説で「google.com = 216.58.197.174」のように、ドメイン名はネット上の番地と対応関係にあることに触れました。この対応関係を管理しているサービスをDNSと呼び、ドメイン取得後はDNS設定が必要になります。

上記のように説明してしまうと難しく聞こえるかもしれませんが、実際にはブラウザ上で幾つか簡単な操作をするだけです。また設定手順も詳しくマニュアル化されていますので、心配する必要はほとんどありません。

期限切れに注意

ドメインは一度取得すれば以後ずっと有効なわけではなく、一定期間ごとに更新が必要です。まとめて数年分を支払うこともできますが、多くの場合は一年ごとの更新とするはずです。

ただし、このとき更新手続きを忘れてしまうとドメインの有効期限が切れてしまい、そのドメインが使えなくなってしまいます。つまり、そのドメインが割り当てられていたウェブサイトも見れなくなってしまいます。

独自ドメインには更新期限がある

このようにドメインの更新と支払いには注意が必要です。とはいえ、最近は自動更新設定(料金はカードから引き落としなど)ができるところも多いです。大切なドメインは自動更新にしておけば失効することはありません。また万が一期限切れに気づかなかった場合でも、(ドメインの種類によっては)更新や復旧のための猶予期間が設けられていることもあります。

独自ドメインの取得方法は2通り

実際に独自ドメインを取得する際には、ドメイン登録業者を利用することになります。ただしこの業者は大きく二通りに分かれています。

  • ドメイン登録・管理の専門サービス
  • ドメイン登録業も兼ねているレンタルサーバー

どちらを選ぶべきかですが、基本的に前者のドメイン取得専門サービスがおすすめです。というのも、専門サービスの方が取得価格が安い傾向にあるためです。

また、もしレンタルサーバーにドメイン管理も任せてしまった場合、サーバーの乗り換え時などの手続きが非常に複雑になります。ウェブサイトのデータだけは新サーバーに置いて、ドメインだけを旧サーバーで管理することになる場合もあります。かといってドメインもあわせて移管しようとすると、ドメインのロック解除などの手続きに苦労することになります。

将来的なことまで考えるならば、最初からドメイン取得サービスを利用した方が、料金面でも労力面でもお得です。
※ただしレンタルサーバーが「ドメイン無料キャンペーン」を実施しているなど、必然的にドメイン取得もあわせてそこで行うことになる場合もあります。

ドメイン取得サービスの選び方

ドメイン取得を専門に取り扱っているサービスは国内に複数あります。

お名前.com

お名前.com

お名前.comは国内最大手のドメイン登録業者です。ドメイン登録業者は厳密には「レジストラ(上位レジストラ)」と「リセラー(下位レジストラ)」と呼ばれる分類があるのですが、より信頼性の高い上位レジストラにあたります。

特徴としては割引キャンペーンを頻繁に行っており、上手く利用できれば(一年目については)かなりの低価格で取得することができます。ただし二年目以降の更新については割引が発生しないことがほとんどです。

また、ドメインは「誰が所有しているのか」を表す「Whois情報」というものを持っています。このWhois情報は、自分の名前を設定するかわりにドメイン取得サービス(お名前.comなど)の情報を公開代行してもらうことができます。

じつはお名前.comではドメイン取得時にこのWhois情報の公開代行にチェックを入れておかないと、あとから設定しようとすると年間1000円程度の有料オプションになってしまいます。この点はくれぐれもご注意ください。

公開代行の注意点を除けば、ユーザー数・知名度ともに高く、利用に関してまったく問題のないサービスです。

ムームードメイン

ムームードメイン

こちらも大手の登録業者です。当サイトのドメイン「serverkurabe.com」も、このムームードメインで取得および管理を行っています。

ホームページのデザインもポップで親しみやすいものになっており、個人ではじめてドメイン取得をするという方も利用しやすいと思います。個人情報の公開を避けられるWhois公開代行も標準で利用することができます。

また低価格レンタルサーバーとして人気の「ロリポップ!」と同じ運営会社のサービスであるため、ロリポップ!を使う場合は設定がとくに簡単になっています。

スタードメイン

スタードメイン

知名度は前二者に劣りますが、最近少しずつ人気と知名度を上げています。

運営会社のネットオウルは、レンタルサーバーの「ミニバード」も取り扱っています。利用料金の一部がポイントとして返ってくる仕組みがあるため、ミニバードの支払いで溜まったポイントでドメイン価格を割り引くといったことも可能です。

そのほか上位レジストラを選べる仕組みがあるなど、どちらかといえば中~上級者向けかもしれません。

どこを選べばいいのか

このほか、ここで紹介した以外にも老舗のバリュードメイン、NTT系列の名づけてねっとなど多くのサービスが存在します。ただやや上級者向けだったり、価格が非常に高かったりなどの理由からあえて紹介からは外しました。

どこを使うか悩んだら、基本的にはお名前.comかムームードメインのどちらかでいいと思います。ただしお名前.comの場合は、申し込みの際にWhois情報の公開代行にチェックを入れる点だけは忘れないようにしてください。

独自ドメイン名の決め方

最後に、どんな独自ドメイン名を取得するべきかについて触れておきます。

トップレベルドメイン(.comや.jp)について

現在ではトップレベルドメインは、数十種類をゆうに越える多様なものが選べるようになっています。たとえば「.soccer」や「.flowers」のような特殊なものまであります。ただし、当サイトとしては「なるべく有名かつ代表的なものを選ぶのが無難」と考えています。

理由としては、パソコンやインターネットにさほど詳しくない一般ユーザーに対して「ホームページのアドレスである」と分かりやすいのは、やはり知名度の高い「.com」や「.jp」です。安心感・信頼感を与えやすいという面ではやはり一日の長があります。

個人でちょっとしたウェブサイトを持つだけなら、低価格で取得できる「.com」か「.net」がおすすめです。価格は高くなりますが、本格的に長期運営を考えるサイトなら「.jp」もありです。また法人では「.co.jp」が定番となっています。

空きドメインの検索について

またセカンドレベルドメイン(自分で好きな文字列を決められる部分)ですが、これについては自分の「ウェブサイト名」「サービス名」「会社名」などを意味する文字列がおすすめです。

ただし「.com」などの場合、短めの文字列はかなりの数がすでに第三者に取得されているはずです。そのため単語を組み合わせる、ハイフンで単語を繋ぐ、などの工夫をして空きを探すことが必要になります。そこで各ドメイン取得サービスでは、トップページにて空きドメインを検索する機能を提供しています。

お名前.comのドメイン検索画面
※お名前.comのドメイン検索画面サンプル

以下のリンク先では、取得を検討しているドメイン名を入力して、空き状況を即時チェックすることができます。空きドメインが上手く見つかったら、他の人に取られないうちに取得しておきましょう。

<各サービスの公式サイトはこちら>