エックスサーバー関連サービスまとめ(全10種)

エックスサーバーは、いまや日本で一、二を争うほどに有名になったレンタルサーバーでもあります。しかしながら、年月の経過とともに徐々に関連サービスが増えたことで、現在では「どのサービスがどういう目的のためのもなのか」が分かりづらくなっています。この記事では、それらを整理してお伝えします。

レンタルサーバー関連

エックスサーバー

創業当時の2003年より続く、大人気レンタルサーバーです。運営企業は、以前は「有限会社(途中から株式会社)ベット」でしたが、2012年より社名自体も「エックスサーバー株式会社」と変わっており、名実ともに看板サービスとなっています。

サーバーの高速性と安定性、そして管理画面などの使いやすさに関して定評があり、当サイトでも開設以来10年以上にわたって利用しつづけています。現在では後述するような様々なサービスが出てきてはいるものの、エックスサーバー自体もスペック増強や機能追加を繰り返しており、いまもレンタルサーバー界トップクラスの性能を有しています。

またその人気の高さからユーザー数も非常に多く、ネット上に情報量が多いのも魅力です。操作や設定で悩むことがあっても、「エックスサーバーで○○を設定する方法」のような記事が見つかりやすいので問題解決がしやすいです。もちろん電話サポート等で直接問い合わせることも可能です。

最近では企業認証SSLに対応するなど法人用途でも使いやすさも増しており、初心者からビジネスユースまで「迷ったらエックスサーバーをおすすめしたい」というのが当サイトの基本方針です。

Xserverビジネス

2018年5月にリリースされた、比較的新しめのサービスです。「エックスサーバー」の基本機能はそのままに、ビジネス・法人用途に求められる機能を追加した構成になっています。
※少々紛らわしいのですが、エックスサーバーのビジネスプラン(旧X30プラン)とは別のサービスです。

セキュリティ面が強化されているほか、高性能スパムフィルタを搭載するなどの変更もあり、より安心かつ快適に日々の運用ができるようになっています。
また、ごく簡単なものではありますが、WordPress(ワードプレス)でのホームページを無料で作ってもらえるというのも特長です。なかなかホームページの作成にまで手を回す時間がないという場合には、とにかく基本の形を作ってもらえるというだけでもありがたいものです。

ただし、料金面ではエックスサーバーに比べて初期費用・月額ともに大きく上がりますので、予算と目的に応じて使い分けをおすすめします。

wpXシン・レンタルサーバー

「WordPressの超高速環境」「新機能を率先的に導入」というのが特長となっています。ただし後述の「wpX Speed」はWordPress運用に特化しており、言い換えるとそれ以外の使い方ができません。

これに対してwpXシン・レンタルサーバーは、名前のとおり「レンタルサーバー」でもあるため、WordPress以外のシステムをインストールしたりなど汎用的な使い方ができます。単純に「エックスサーバーをさらに速くしたもの」と捉えても大きく間違ってはいません。もちろんWordPressサイト運用においてはその真価を発揮し、非常に快適に動作します。

ただし、速度と最新機能に舵取りをしているため、安定性を重視する場合はエックスサーバーの方が推奨されています。現在すでにエックスサーバー等でWordPressを運用しており、その速度にまだ不満があるという方が、さらに上を目指す場合に検討するサービスと言えます。

XFREE(エックスフリー)

「FREE」が名称についているとおり、無料で使えるレンタルサーバーです。
ただし当然ながらそのぶん機能制限は非常に厳しく、たとえばディスク容量ひとつとっても、XFREEでは1GB~2GBなのに対して、エックスサーバーでは300GB~と100倍以上の開きがあります。またすべてのプランにおいて、スマホ・タブレットでの閲覧時に広告が表示される仕様となっています。

レンタルサーバーの体験版という位置づけで試してみるのはありですが、実際にXFREEで運用を開始した場合、きちんと運営するとなった場合にエックスサーバー等への移転(乗り換え)という作業が必要になってしまい、これが思いのほかハードルが高くなりがちです。また無料サーバーは、有料よりもサービスの突然の終了などの可能性も高く、その点でもあまりおすすめはしていません。

WordPress専用

wpX Speed

上で挙げたwpXシン・レンタルサーバーとは異なり、完全にWordPressの運用に特化したサービスです。
wpX Speedの最大の特長としては、アクセスが急増した場合でも、メモリやCPUコア数の割り当てを自動で増加させることができます(オートスケール機能)。たとえばニュースに取り上げられる、SNSでバズるなどのときでもサイトを安定表示させやすくなります。また月額課金ではなく時間課金のため、期間限定のキャンペーンサイトの運用などにも向いています。

ただし、オートスケールが行われるとそのぶん時間単位の料金は上がっていきます。またもっとも安いプランで運用を続けた場合でも、その月額はエックスサーバー以上となります(ただしwpX Speedの方は初期費用が無料)。

通常のレンタルサーバーとして利用できないこと、時間制課金であることからかなり特殊なサービスであり、少なくとも初心者の方にはおすすめしません。WordPress運用を考えている場合でも、基本的にはエックスサーバー、超高速環境をどうしても試してみたい場合でもwpXシン・レンタルサーバーを推奨します。

wpX Blog

簡単に言えば「WordPressを使える無料ブログサービス」です。
アメーバブログ、livedoorブログなどのような無料ブログサービスの一種と言えますが、管理画面はWordPressそのままのため、国産のものよりは取っつきづらくはなっています。

また無料サービスのため広告表示があり容量も3GBと厳しく制限されています。有料のPRO版に乗り換えると広告表示は消えるものの、容量は30GBまでしか増えません。さらにWordPressは、プラグインを自由に追加してカスタマイズできることも魅力のひとつですが、wpX Blogでは導入できるプラグインも数種類だけに限定されています。

WordPressを無料で試したいとしても、エックスサーバーの体験版、あるいはXFREEなど別の選択肢があり、正直なところあえてこのサービスを使う理由は少ないようにと思います。

その他のサービス

ここからはレンタルサーバーやWordPress運用とは、別種のサービスとなります。

エックスドメイン

他社でいうところの「お名前.com」「ムームードメイン」どと同様の、ドメイン取得サービスです。
同一企業が運営しているだけありエックスサーバーとは連携しやすくなっている印象ですので、エックスサーバー利用で追加ドメインを考えているならこちらで取るのもありでしょう。

Xserver SSL

2021年11月~と、ごく最近はじまったSSL証明書取得サービスです。当サイトでもSSL料金比較のページを設けていますが、こういった取得代理店の一種となります。
ただし、エックスサーバー等でSSLを扱う場合は、サービス内から手続きを行うことができます。またそもそも外部の証明書を持ち込むことはできないため(おそらくですがXserver SSLのものでも持ち込めないはず)、基本的には初心者には無縁と考えていただいて大丈夫です。

Xserverドライブ

インターネット上にファイルを保管することができる、オンラインストレージの一種です。
ユーザー数無制限であることから法人向けとなっていますが、昨今のリモートワークの普及でもあらためて着目されるサービスです。

Xserverショップ

他社で言うと「カラーミーショップ」「MakeShop」のような、ネットショップ構築・運営サービスです。広く普及しているネットショップ用ツール「EC-CUBE」がベースとなっています。

通常のエックスサーバーにEC-CUBEをインストールして使うことも可能ではありますが、それと比べてシステムの保守・運用をサービス側に任せられるほか、ある程度の使いやすい環境を事前に整えてもらっていることが利点となります。

終了済みのサービス

そのほかすでに終了したサービスも幾つかあります。代表的なところでは、法人向けレンタルサーバーとして長く運営されてきた「シックスコア」、エックスサーバーの上位サービスという位置づけだった「X2(エックスツー)」、wpXシリーズの先駆けとしてリリースされていた「wpXレンタルサーバー」「wpXクラウド」などがあります。

これらは現在はサービス終了していますが、それぞれ後続の別サービスが役割を引き継いでいます。