レンタルサーバーによるSEOへの影響について

ウェブサイトを運営する方の多くが持つのが、「なるべく多くのアクセスを自分のサイトに呼び込みたい」ということだと思います。そして、そのための代表的な方法として「SEO(検索エンジン最適化)」があります。ごく端的に言ってしまえば、Googleなどの検索エンジンにおいて上位表示を目指す行為です。

SEOに関しては、ウェブサイトやドメインの運営歴、コンテンツ量、更新頻度、被リンクなど様々な要素が関わってきますが、なかには「レンタルサーバー会社によってSEOに強い(あるいは弱い)といった違いはあるのか?」という疑問を持たれる方もいると思います。この記事ではそんな疑問に答えてみます。

基本的には影響はない

Googleなどの検索エンジンがどのように順位を決定しているかという仕組み(アルゴリズム)は、一部の情報は公開されているにしても、多くの部分はブラックボックスとなっています。そのため100%正確な情報というものを答えることはできません。

ただ、その上でですがあえて言ってしまえば、レンタルサーバーによるSEOへの影響は基本的にはないといって良いと思います。

管理人はこれまでロリポップのような格安レンタルサーバーから、このサイトでも使っているエックスサーバーのような中価格帯、それからシックスコアなどの法人向け、さらにはVPSサービスも利用して様々なサイトを運営してきました。

その経験上のことで言えば、たとえば低価格のレンタルサーバーだから順位が低迷する、あるいは高額なサービスだから順位が上がりやすいといった現象は見受けられませんでした。正直に言って、SEOに関してレンタルサーバー選びの段階で気にすることはほとんどないと考えています。

スパム業者に関しての注意

しかし、上記でも「『基本的に』影響はない」というやや含みをもった書き方をしましたが、なかには例外的なケースというのは存在します。それがサーバーに同居するユーザーの問題です。

一般的な共用サーバーの場合、一台のサーバーマシンには複数のユーザーが同居しています。さらには、その各ユーザーがそれぞれ複数のサイトを運営していることもあると思います。

これに対して、インターネット上の識別番号であるIPアドレスというのは、サーバーマシン一台ごとに割り当てられます。つまり同じマシンに同居している限り、Aさんが運営しているサイトも、Bさんが運営しているサイトも、そのほかもすべて同じIPアドレスのウェブサイトとして外部からは認識されます。

無論IPアドレスが同じであっても、ドメインが違えば基本的には別個のサイトとしてGoogle等は認識してくれますので、通常は問題が起こることはありません。

しかし、たとえば非常に悪質なスパム業者、あるいはウイルスなどを故意に設置しているような悪意あるユーザーが同居ユーザーにいる場合、なんらかの可能性で大元のIPアドレスに対してペナルティがかかるという可能性はゼロとは言い切れません。

もっとも管理人の私見としては、可能性がごく低いことであり、まず心配する必要のないことだとは思います。ただ可能性として存在するにはするので、念のために説明させてもらいました。

なお、それでも少しでも危険性を減らしたいという方は、同居ユーザーが少ないサービス(一般的に低価格よりは高価格のサービス)を選んでください。またVPSや専用サーバーであれば、1ユーザーにつき1個のIPアドレスが割り当てられるため、こうした危険とは無縁になります。

IP分散サーバーについて

なおSEOとレンタルサーバーという関連でいえば、IP分散サーバーと呼ばれるものもなかには存在します。

たとえばCさんが、C-1、C-2、C-3……C-10とドメインの異なるサイトを10個運営していたとしていたとします。現在の検索エンジンはたくさんのリンクがついているサイトを高評価する面がありますから、この10サイトで相互にリンクを貼ったり、あるいはメインとするサイトに集中的にリンクを貼ったりします。

しかし、通常のサーバーではいくらドメインが違ってもすべて同じマシン内にあるウェブサイトですから、外部からは同じIPアドレスなのが分かります。そうするとGoogleは、これらは不当に順位を向上するための作為的なリンクだと判断して、かえってペナルティを与えて順位を低下させます。

ですが、もしC-1~C-10のサイトがそれぞれ別のIPアドレスを割り当てられるようなサービスがあれば、作為性に検索エンジンが気づかず、ペナルティを回避できる可能性があります。こうした仕組みを実現するのが、IP分散サーバーと呼ばれるものです。

ただ、また個人的な意見になってしまいますが、あまりIP分散サーバーの利用は推奨しません。たとえ同一IPアドレスからのリンクであっても、それが関連性のあるサイトへのものであればペナルティを課せられることはありません。IP分散までしてリンクを獲得しようとするのは故意に順位を操作しようとする行為ですから、それをする時点でなにかしら手段が間違っている可能性を考えるべきだと思います。

とはいえ、IP分散サーバーそのものが悪であるわけではありません。利用目的として上記のようなものが多いだけで、たとえば非常に多くのサイトを運営している方が、少しでもリスクを分散するために利用するならば価値があると思います。

もっともその場合でも、比較的高額なIP分散サービスを使うよりは、自分が使い慣れたレンタルサーバーで複数契約を結ぶなどした方が経済的な場合が多いです。自分の目的や予算を踏まえた上で、どうしても必要だと思う方のみ利用をおすすめします。