レンタルサーバーのOSは、大きくわけて「Unix/Linux」と「Windows Server」の二種類があります。ここでは両者の違いについて解説します。
Unix/Linux
Unix/Linuxとは
一般的なレンタルサーバーのほとんどは、OSにUnixまたはLinux系のものを採用しています。この二つを「Unix/Linux」と一くくりに書いているのは、LinuxはそもそもUnixを元に開発されたOSであり、両者は多くの点で共通しているからです。
そしてこれらは「一台のコンピューターを複数のユーザーが利用する」ということを前提として作られたOSです。そのため「複数のユーザーが同時に一台のサーバーを利用する」という、レンタルサーバーの利用形態にとても適しています。
実際、ほとんどのレンタルサーバーで採用されており、OSについてとくに明記がなければ、ほぼ確実にUnix/Linuxと判断して大丈夫です。
なかでも採用率の高いOSとしては、Linuxのディストリビューション(種類)のひとつである「CentOS」があります。共用サーバーだとOSの詳細は非公開としているところも多いですが、VPSの場合は標準搭載OSがCentOSである率が非常に高いです。そのほかUbuntuやDebian GNU、またUnixではFreeBSDを採用しているところも多く見受けられます。
操作について
なお、これらのOSは一般ユーザーには縁遠いこともあって、なんとなく不安に思われる方もいるかもしれません。
しかしながら、一般的なレンタルサーバー(共用サーバー)においては、ほぼすべての操作は管理画面から行うため、まったく心配はいりません。またユーザー自身が手元で使うパソコンはWindows(7/8/8.1/10等)であっても、なんの問題もありません。
ただし、VPSを利用する場合のみ注意が必要です。VPSでは管理者権限をもらって、サーバーの設定から管理まですべてをユーザー自身で行うことになるためOSの違いは大きな問題になります。とくにUnix/Linuxの場合は標準ではマウス操作に対応しておらず、すべてコマンド操作で設定を行わなければなりません。
※そもそものお話として、VPSは上級者以外の利用はおすすめしません。
Windows Server
Microsoftのサーバー向けOS
一方で、Microsoft系列のサーバーOSが、Windows Serverです。公式サイトで「Windowsサーバー」といった記述があるサービスは、このWindows Serverを採用しています(実際には2003、2008、2012など、さらに細かい違いがあります)。
一般家庭のパソコン環境とは異なり、レンタルサーバーの世界においてWindows系列のOSはさほど一般的ではありません。
しかしながら、Windowsでしか動かないソフト(アプリケーション)が使えるというメリットがあるため、特殊な用途を目的として採用されることがあります。そのほかMicrosoft系列のプログラミング言語であるASPやASP.NETを簡単に扱えるといった特徴も持っています。
幾つかの注意点
ただWindow Serverは、(Unix/Linuxの多くが無料であるのに対して)OS自体が有料のものです。そのため、Windowsを採用したレンタルサーバーはどうしても価格が高くなりがちです。あるいは価格が安い場合であっても、スペックが抑えめになっていたりします。
またサーバーとしてはマイナーな存在であるため、ウェブサイトやブログの運営等でなにかしらトラブルに遭遇した場合に、解決方法が見つけにくくなります。どうしてもWindow系列でなければならない理由がなければ、初心者にはUnix/Linux採用のサービスをおすすめします。