ヘテムルのレビューと評価

高スペックと多機能を兼ね備え、それでいて月額は1,000円というコストパフォーマンスに優れたサービスです。以前は他社に比べて見劣りする部分もありましたが、2017年秋のリニューアルで大きく様変わりしました。

公式サイト : ヘテムル

総合評価:76点

最新のスペックと豊富な機能

速さを追求するための工夫が満載

現在のヘテムルを一言で表すならば、サーバーの「速さ」をとくに重視したサービスといえます。つまり、さくさくと快適にウェブサイトが表示されるための工夫が凝らされています。

具体的なものとしてまず、ウェブ・メール・データベース(DB)というサーバーの三種の機能すべてにおいて、従来のハードディスクよりも遥かに高速なSSDが採用されています。しかもSSD採用となるとディスク容量が少なめになることも多いのですが、ヘテムルはオールSSD環境でなおかつ200GBものディスクを搭載しており、大容量ニーズにも応えられます。

ほかにも速さを追求する工夫として、PHPは(一般的にレンタルサーバーで使われるCGI版よりも)高速なモジュール版の採用、ネット通信の新規格であるHTTP/2に対応など、多くの最新機能を取り入れています。

*様々な用途に対応できる多機能ぶり

ただ単純にサーバーが高速であるというだけでなく、機能面も充実しています。複数サイト運営のためのマルチドメイン機能の設定数は無制限、ワードプレスなどの利用に必要なデータベースも70個~利用できます。

さらに、ここ数年のネットの大きな流れともいえる「ウェブサイト全体のSSL暗号化」に対応するものとして、無料の独自SSL「Let’s Encrypt」を設定できる機能も用意されています。

またヘテムルはもともとエンジニアやクリエイターなど、専門性のある人向けのレンタルサーバーという色合いも持っているサービスです。そのため最新プランにおいても、PHPのテンプレートエンジンである「Smarty」、バージョン管理システムである「SVN」や「Git」が標準搭載されています。

再びエックスサーバーの競合に

当サイトでは共用サーバーの総合ランキング1位は長らくエックスサーバーとなっていますが、じつはこのサイトを作った当初(2010年頃)には、ヘテムルはまさにエックスサーバーのライバルと呼べる関係にありました。

その後、少しずつ両者のあいだの差は広がってしまったのですが、2017年秋の大幅リニューアルによって、現在は再びライバルと言える位置づけに戻りつつあります。具体的に両者の価格や機能を比較したものが、下記の表になります。

サービス ヘテムル エックスサーバー
プラン ベーシック スタンダード
初期費用 2,200円 3,300円
月額×12 11,880円
990円×12)
13,200円
(1,100円×12)
ディスク容量 200GB
(オールSSD)
バックアップ 標準搭載
(Webとメールは7世代・DBは14世代保存・復元時は要費用)
独自SSL 無料
(Let’s Encrypt対応)
※価格はすべて税込表記。月額は12ヶ月契約時の料金。

まず料金面については、どちらも月額1000円前後という価格帯にあります。これも以前はヘテムルは毎月1,620円~という少し高い価格設定だったのですが、リニューアルによって同価格帯まで下りてきた形になります。

さらにスペックや機能を見てみると、どちらもオールSSD、ディスク容量もまったく同一、MySQLデータベースの個数、転送量、さらにはバックアップの対象日数まで同じという本当に似通ったサービス内容になっています。

ただこれは明らかに、先行するエックスサーバーを意識して、ヘテムルが新プランを作ったと思われます。そのため初期費用では約1,000円、月額でも約100円程度はヘテムルの方がコストパフォーマンスに優れる結果になっています。

もっとも、それでいてもなお当サイトとしては(この両者の比較であれば)エックスサーバーをおすすめしています。その理由については、次項の注意点で詳しく述べたいと思います。

注意すべきことは

上記でも少し書きましたが、エックスサーバーと以前はライバル関係にあったヘテムルですが、その差が徐々に開いた期間が数年にわたりありました。

こうした差が開いた最大の理由は、(エックスサーバーが随時スペック強化や機能追加を行ってきたのに対して)ヘテムルでは何年ものあいだプラン内容に大きな変更がなかったことにあります。もちろん大規模リニューアルによってほぼ同等のスペックにはなったのですが、あまりに差が開いた期間が長すぎました。

※両サービスの性能強化の差を表したしたものです。実際にはエックスサーバーもここまで一直線に上がったわけではありませんが、長期的に見るとこのようなイメージになります。

見てもらうと分かるとおり、エックスサーバーであればスペック強化や機能追加の恩恵を着実に積み重ねることができたのに対して、ヘテムルだとずっと既存のスペックで停滞していなければなりませんでした。また大規模リニューアルについても、そもそも行われるかも分からない先行き不透明な状態でした。

こうした「時代の流れに対応する速さ」を考慮すると、やはり当サイトとしてはエックスサーバーの方がより多くの方に安心しておすすめできる、と考えます。

・参考記事:エックスサーバーの評価(89点)とその理由

評価まとめ

ヘテムルについては、競合他社に遅れをとった期間が長かったこともあり、注意点含めて少し厳しめの評価としました。

ただ最初にも書いたように、現在(2017年秋~冬)としては優れたスペックと機能、さらにコストパフォーマンスを兼ね備えたサービスであるのも事実です。またレンタルサーバー業界自体の変化も近年は少し緩やかになってきているように感じるので、今後数年にわたり快適に利用できる可能性もあります。

またライバルのエックスサーバーと比べると、標準でGitが使えたり、WebDAV利用ができるなど独自の強みもあります。こうした点に魅力を感じる方は、一度利用を検討してみるのもおすすめです。15日間の無料お試し利用もありますので、他社と同時に試用して速度を比べてみるのもおすすめです。

料金と機能

  • ※「×」は対応不可、「-」は対応不明を表しています。
  • ※月額は年間(12ヶ月)申し込みをした場合の金額を記載しています。
機能 ベーシック プラス
初期費用(税込) 2,200円
月額(税込) 990円 1980円
ディスク容量 200GB 300GB
メールアカウント数 無制限
メール関連機能
メール転送 ○(10ヶ所まで)
メール自動返信
Webメール ○(携帯対応)
メールウイルス駆除
スパム対策
高機能スパム対策
ドメイン関連
マルチドメイン 無制限
サブドメイン 無制限
その他機能
FTPアカウント数 50個
webdav
cron
SSH
転送量 80GB/日
CGI・プログラム関連
独自CGI
Perl 5.8.x
PHP 5.6.X / 7.0.x / 7.1.x
Python
Ruby 1.8.x / 1.9.x / 2.0.x / 2.1.x / 2.2.x / 2.3.x
データベース関連
MySQL 5.6.x
MySQLのDB数 70個 100個
PostgreSQL ×
PostgreSQLのDB数 ×
SQLite
データ保全
RAID
外部バックアップ ○(Web・メール・MySQLデータベース)
※Web・メールは7世代分、DBは14世代分
データ復元 有料OP(5,400円)
SSL
共用SSL
独自SSL取得代行 Let’s Encrypt ※無料
グローバルサイン(クイック認証SSL・企業認証・EV SSL)
独自SSL持ち込み ×
CMSの利用
MobableType
WordPress
サポート
電話サポート ○(平日10時~18時)
その他サポート メール
申し込み関連
支払い方法 カード/銀行振込
※おさいぽ!サービス利用の場合は、コンビニ・WebMoney・PayPalも可
領収書発行 ×
お試し期間 15日間
備考 Subversion(SVN)およびGitが標準で利用可能
HTTP/2対応、WAF利用可能