wpXシン・レンタルサーバーのレビューと評価

エックスサーバーの使い心地そのままに、超高速WordPress環境が用意されたサービスです。初期費用無料、月額1000円以下の安さも魅力です。

サービスの位置づけ

wpXシン・レンタルサーバーは、エックスサーバーをベースにしつつ更なる高速化を行ったレンタルサーバーです。
特に頭に冠している「wp（＝WordPress）」が示すとおり、WordPressの超高速環境が導入されています。

なお他にも「wpX Speed」「wpX Blog」というサービスがあるのですが、これらもWordPressの超高速環境という点では同様です。ただし、これら（Speed/Blog）はWordPress運用に特化したサービスです。他のプログラムやシステムを動かすということは原則できず、通常のレンタルサーバーとは異なります。

これに対してwpXシン・レンタルサーバーは、名前のとおりにあくまでもレンタルサーバーの一種です。WordPressサイト運用だけでなく、旧来のHTMLファイル構成のホームページも扱う、なにかしらのCGIも動かす必要がある、など様々な用途にも対応できます。
しかも管理画面についても、使いやすさに定評のあるエックスサーバーのものと同一です。新規の方はもちろん、エックスサーバーからの乗り換えも安心して行えます。

「KUSANAGI（クサナギ）」でWordpressが超高速

wpXシン・レンタルサーバーで使われているWordPressの超高速環境は「KUSANAGI（クサナギ）」というものです。これは（エックスサーバー社の技術ではなく）プライム・ストラテジー社によって培われたもので、OSレベルから様々な高速化を施した上で、それをそのまま仮想マシンとして提供しています。
仮想マシンを提供するという意味では、VPSやクラウドといった形態にも近いですが、まっさらな仮想マシンにいちからカスタマイズを加えるのではなく、すでに速度重視で最適化されたものをそのまま使えるのが大きなメリットです。

すでにVPSやクラウドでもKUSANAGI対応のサービスはありますが、（それこそwpXシン・レンタルサーバーのように）一般的なレンタルサーバーであれば、Linux/Unixの専門的な知識も求められません。誰でも手軽に超高速WordPress環境を利用できます。

なお、ときおり誤解が見られますが、WordPressのプラグインの一種というわけではありません。もっと根本的なレベルから高速化を行うものなので、たとえば「エックスサーバーで運用中のWordPressにKUSANAGプラグインを入れて高速化する」といったことはできません。

ユーザーごとのCPU・メモリを厳格管理

通常のレンタルサーバーでは、複数のユーザーが一台のサーバーマシンを共同で利用しており、簡単に言えばCPUやメモリなどの処理性能の奪い合いが起こります。もしも同居ユーザーにCPUやメモリを酷使するような使い方をしている人がいた場合、その影響で自分のサイトの表示が遅くなる、などの可能性もゼロではありません。

これに対して、wpXシン・レンタルサーバーでは各ユーザーごとのCPU・メモリが厳格に管理されています。そのため同居ユーザーに影響されることなく、割り当てられたメモリ・CPUを確実に使用できます。

それでも性能に不足を感じる場合には、より上位のプランに乗り換えることで、CPUコア数やメモリ量を増やすことが可能になっています。
この辺りも、プランを変えても性能が変わらないエックスサーバーとの違いになっています。

初期費用無料・月額880円

くわえて、コストパフォーマンスに優れているのも嬉しい点です。12ヶ月契約で比べた場合、初期費用3,300円・月額1,100円～のエックスサーバーに対して、初期費用無料・月額880円（税込）で利用できます。これはエックスサーバーのライバル的存在であるConoHa WINGともほぼ同額です。

もちろん価格だけを見ればロリポップ！などにはもっと安いプランがあります。しかしこれだけの最新性能を盛り込んだサーバーを使えるという条件で見ると、トップクラスのコストパフォーマンスを誇っています。

アダルトコンテンツにも対応

そのほか少々変わったところでは、アダルトサイトの運営も許可されています。
これまで国内の代表的なレンタルサーバーは大半がアダルト不可となっており、もし対応しているところを探すとスペックで一段や二段落ちるところを探すしかないという状況でした。

最近でこそ、MixHost、ColorfulBoxなど、新興のレンタルサーバーでアダルトOKのところが増えては来ていましたが、どうしても運営実績という点ではやや難がありました。そこに来て、エックスサーバーの流れを汲む強力なサービスが使えるのは非常に大きいです。もしもアダルト対応のレンタルサーバーを探しているならばですが、現状一番おすすめのサービスとなります。

注意すべきことは

初心者にはエックスサーバーをおすすめ

エックスサーバーをベースに新機能を盛り込んでいるため、一見すると「上位互換」のようにも見えてしまうwpXシン・レンタルサーバーですが、当サイトとしては初心者には現状おすすめしていません。

というのも、公式が直々に「安定性に重点を置いているのはエックスサーバー」と明言しています。wpXシン・レンタルサーバーは「革新性」を重視して意欲的に最新技術を使っているものの、そのせいでトラブルが起こったりなど不安定になる可能性もあるためです。

※公式サイトより

また通常のエックスサーバーでも、エックスアクセラレータver2、HTTP/2、nginx、FastCGI……等々、多くの高速化技術は導入されていり、「KUSANGI」「CPU・メモリ管理」以外の差はほとんどありません。WordPressの運用ではたしかに速度差が出ますが、大抵はエックスサーバーの時点で十分あり、物足りなくなったときに乗り換えを検討するのが良いでしょう。

そのほかエックスサーバーであればネット上に使い方の解説記事がたくさんあるのですが、wpXシン・レンタルサーバーの方はまだまだ数が少ないです。そういう意味でも、なにかトラブルに当たってしまったときに解決がしづらいです。

今後の見通しは不透明

もうひとつ注意点としては、今後サービスが長期的に続くかどうかも分からないということもあります。じつは「wpX」を冠するサービスは過去にも存在しており、「wpXレンタルサーバー」「wpXクラウド」というものがありました。ただ、理由は分かりませんが現状ではどちらも終了しており、かわりに現在のサービスが新規リリースされています。

もちろんサーバー運用に慣れている方であればそうなっても乗り換えれば済む話のなのですが、初心者にとっては乗り換えもハードルが高い作業です。そういった点も含めて、（少なくとも2021年の現時点では）総じて中～上級者向けと判断しています

評価まとめ

エックスサーバーの方が安定性重視であること、情報量の多さなどから初心者の方がいきなり利用するのにはあまり向いたサービスではありません。

しかしながらWordPressの超高速環境があるため、現状のエックスサーバーでも遅いと感じるという方には、間違いなく乗り換えを検討する価値があります。またアダルト可という珍しいサービスでもあるため、その点でも必要な方には最適です。
10日間の無料お試し期間があるため、まずは一度実際の表示速度を体感してみるのもおすすめです。

料金と機能

機能	スタンダード	プレミアム	ビジネス
初期費用（税込）	3,300円
月額（税込）	1,100円	2,200円	4,400円
ディスク容量	300GB	400GB	500GB
メールアカウント数	無制限
メール関連機能
メール転送	○
メール自動返信	○
Webメール	○（スマホ対応）
メールウイルス駆除	○（F-Secure）
スパム対策	○
高機能スパム対策	×
ドメイン関連
マルチドメイン	無制限
サブドメイン	無制限
その他機能
FTPアカウント数	無制限
webdav	×
cron	○
SSH	○
転送量	900GB/日	1200GB/日	1500GB/日
CGI・プログラム関連
独自CGI	○
Perl	○
PHP	○
Python	○
Ruby	○
データベース関連
DB種別	MySQL / MariaDB
DB数	無制限	無制限	無制限
SQLite	○
データ保全
RAID	RAID10
外部バックアップ	○（Web・メール・MySQLデータベース） ※Web・メール・DBいずれも14世代分
データ復元	○（無料）
SSL
共用SSL	×
独自SSL取得代行	Let’s Encrypt（無料） CoreSSL / SecureCore ドメイン認証SSL / ジオトラスト クイックSSLプレミアム / ラピッドSSL / SecureCore 企業認証SSL / digicertセキュア・サーバID / SecureCore EV SSL
独自SSL持ち込み	×
CMSの利用
MobableType	○
WordPress	○（KUSANAGI環境）
サポート
電話サポート	○（平日10時～18時）
その他サポート	メール
申し込み関連
支払い方法	カード / 銀行振込 / ペイジー / コンビニ払い
領収書発行	×
お試し期間	10日間
備考	Webサーバーにはnginx採用、HTTP/2対応

• ※「×」は対応不可、「-」は対応不明を表しています。
• ※月額は年間（12ヶ月）申し込みをした場合の金額を記載しています。