エックスサーバーと競合他社(お名前.com・さくら・ヘテムル)を比較

※2017.6.20 さくらのプラン名について本来「プレミアム」とすべきところが誤って「スタンダード」になっているとのご指摘をいただきました。ありがとうございます。現在は修正済みです。

当サイト運営にも利用しているエックスサーバーは、月額1,080円~という価格もあって、個人向けとしてはかなり高性能なレンタルサーバーになります。それでも、この価格帯のサービスとしてはもっともおすすめしています。

ただ、実際のところ「他社の競合サービスと比べた場合に本当に優秀なのか?」というのは気になる方も多いはずです。そこで、ここでは月額1,000円以上の代表的なサービスとして「お名前.com」「さくら」「ヘテムル」を取り上げ、具体的な比較を行います。

なお、時間のない方やお急ぎの方は、まとめの項だけを読んでいただいても大まかな内容は分かるようになっています。

サービス比較の基準を考える

まず、価格・ディスク容量・マルチドメイン数などの基本的なスペックを表にまとめたのが以下のものです。なお、複数プランを提供しているサービスの場合は、この価格帯に合うプランを掲載しています。

サービス エックスサーバー お名前.com さくら ヘテムル
プラン X10 SD-11 プレミアム
初期費用 3,240円 1,944円 1,029円 4,266円
月額 1,080円 1,058円 1,543円 1,620円
ディスク容量 200GB 200GB 200GB 256GB
マルチドメイン 無制限 無制限 30個 無制限
MySQLデータベース 50個 50個 50個 100個

※価格はすべて税込です。また月額は12ヶ月契約時の料金です。

この表から見えてくることがひとつあります。それは「この価格帯まで来ると、レンタルサーバーとしての基本的なスペック・機能は横並びに近くなってくる」ということです。
容量はいずれも200GB以上、マルチドメインも無制限のところが多く、またワードプレス等の利用に必要なMySQLデータベースも数十個作れて当然という状態です。

そのため月額1000円以上の高性能サーバーの場合、もっと他の部分でサービスを評価する必要が出てきます。その基準はさまざまに考えられますが、当サイトとしては、以下の3点をとくに重視して評価していきます。

  • 独自SSLの対応状況
  • 自動バックアップ機能
  • サーバーの稼働品質

独自SSLは近年ニーズの高まりが著しいこと、自動バックアップは多くのユーザーが求める機能であること、そして稼働品質は目に見えにくいものながら非常に重要です。

独自SSLへの対応状況

問い合わせフォームから送信される情報を暗号化する際などに必要となるのが独自SSL(SSLサーバ証明書)です。しかし近年はそれだけでなく、ウェブサイト全体をSSL化するなどの用途にも用いられています。

とくにGoogleがSSL化をSEO上の評価点に加えたとされることもあり、2015年頃からニーズが急速に高まり、レンタルサーバーでも相次いで機能強化が行われています。そして現在の各社のSSL対応状況は以下のとおりです。

サービス エックスサーバー お名前.com さくら ヘテムル
プラン X10 SD-11 プレミアム
無料SSL Let’s Encrypt × × ×
SNI SSL ×
認証種別 ドメイン ドメイン ドメイン ドメイン/企業/EV
SSL持ち込み × × ×

まずエックスサーバーが非常に優秀です。4社のなかでも唯一、無料の独自SSL証明書である「Let’s Encrypt」の導入に対応しています。

現状のSSLというのは、価格の安い・高いで暗号強度が変わるようなことは基本的にありません。信頼性証明という機能で差は出るものの、どちらにせよ個人サイト向けの簡易認証(ドメイン認証)では大きな違いはありません。

そのため個人サイトで独自SSLを導入するなら、追加費用ゼロで利用できるエックスサーバーが頭ひとつ抜けて優れています。

また無料ではないものの、月額にして100円程度の追加料金から利用できる低価格の「SNI SSL」というものもあります。やはり近年になって登場したもののためレンタルサーバーによって使えるかどうかが変わってきますが、こちらはヘテムルを除く3社すべてで導入可能です。

またヘテムルでは信頼性の高い企業認証等も対応していますが、個人では取得ができないため、個人向けサイト運用では意味はありません。またさくらはSSL持ち込みができますが、現状はSNI SSLより安くならないためこちらもメリットは弱いです。

自動バックアップ機能について

次に自動バックアップ機能についてです。とくにこの価格帯のサービスを検討する人は、ウェブサイト・ブログも本格運用を考えている人が多いはずなので、それだけデータのバックアップの重要性も高くなります。

こちらも、データの保管期間、および(ユーザー側でのリクエストに応じての)データ復元に関する対応状況を表にまとめました。

サービス エックスサーバー お名前.com さくら ヘテムル
プラン X10 SD-11 プレミアム
料金 無料
※復元は有料
無料 × 月額756円
対象データ Web・メール・DB Web × Web・DB
データ保管 7~14日間 21日間 × 7日間
復元 有料
(5,400円/10,800円)
無料 × 無料

見てもらうと分かるとおり、バックアップに関してはお名前.comが強いです。3週間(21日間)という長期に渡って各日のデータが保管されることにくわえ、復元(保管データのダウンロード)も無料になっています。

ただお名前.comはメールが対象外のため、サーバー上にメールを置いたまま運用を行うIMAPを利用する場合は他を検討した方がいいかもしれません。またMySQLデータベースも対象外となっていますが、WordPress等のソフトウェアのデータベースは別途保管されます。

メールやデータベースも含めたバックアップに対応している点では、エックスサーバーが高評価です。保管期間も7日間(WEB・メール)~14日間(MySQL)と十分長いので安心です。復元時に費用(5,400円/10,800円)がかかるのは注意点ですが、(復元を頻繁に行わず)万が一の保険と位置付けるだけならまず問題はありません。

またヘテムルに関しては有料オプションですが、月額756円とかなりの追加料金がかかるため、コストパフォーマンスが悪いことは否めません。さくらに関しては、(管理者側でのトラブル対応のためのデータ保管はあるものの)ユーザー側での復元に対応したバックアップ機能そのものがありません。

サーバーの稼働品質を推し量る

稼働率だけでは分からないこと

レンタルサーバーとしてもっとも基本かつ重要なのが、サーバーが常に安定稼働するかどうか、ということです。これはひとつには稼働率という指標が参考になりますが、近年では個人向けでも年間99.99%以上といった数値を謳っているところが増えています。

しかしながら稼働率というのは、サーバーが完全に停止しないかぎりは稼働していると見なされます。そのため、負荷がかかって遅くなっている・繋がりにくいなどの状況が多発しているかどうかなど、稼働率だけでは分からないことも多いです。

とはいえ、共用サーバーの場合は同居ユーザーの影響などもあるため、正確にサービス全体の稼働品質を測るのは難しいです。そのためあくまで推測という形になりますが、障害情報などをもとに品質を推し量ることにします。
※随時確認しつつ修正するつもりですが、現時点では2016年秋頃の情報をもとにしています。

重大な障害が非常に少ないエックスサーバー

まずエックスサーバーですが、障害情報は一見すると多く見えるものの、実際には2~3分程度の障害がほとんどであることが分かります。またそれらもサーバーに繋がらなくなるといった重大なものではなく、FTPサーバーに繋がりにくいなどの軽微なものばかりです。

こうした細かな負荷上昇なども包み隠さず、きっちりと情報公開してくれているところはとても信頼感があります。また数十分~数時間に渡るような中長期の障害はまず見受けられず、まさに安定稼働の見本のような状態を維持しています。

さくらとヘテムルは基本的には安定

次にさくらとヘテムルですが、どちらも10分程度の障害情報も含めて掲載しており、その点は評価できます。ただサーバーによっては(稼働停止ではないものの)30分を超えるような中期的な障害もときおり起こっており、さすがにエックスサーバーには叶わない印象です。

不安の残るお名前.com

最後にお名前.comですが、正直に言ってしまうと、稼働品質には不安が残ります。たとえば平日の8時~15時などの長期に渡っての障害情報も掲載されています。しかも内容がデータベースに完全に繋がらないなど重大なものになっています。

また、それ以上に気になるのがそもそも数分~10分程度の障害情報が全然見当たらないことです。お名前.comのような大規模なサービスで、なおかつ一台もトラブルが起こらないということは考えにくいので、短期の障害情報は載せないという方針なのかもしれません(あくまで管理人の私見ですが)。

もしそれが真実だとすると、こうした細かな障害情報の公開がないというのは、ユーザー側からするとどうしても不安になります。また稼働率自体も99.99%以上と公式で記載してはいるのですが、じつは「※2012年稼働実績」との注釈があります(2016年時点)。

たんに表記の更新ミスなのかもしれないですが、もしそうでないとするとこうした古いデータを大きくアピールするような姿勢には疑問を抱かざるを得ません。


まとめ

ここまで幾つかの観点から見てきましたが、総合力ではやはりエックスサーバーに軍配が上がります。

独自SSLが無料で使える上に、バックアップも普段使いにおけるランニングコストはまったく増えません。正真正銘、月額1,080円という価格のみで安心してサイト運営を行うことができます。くわえて稼働品質も高く、隙がありません。当サイトが5年以上エックスサーバーを使っているのもこうした理由によるものです。

他社では、お名前.comはバックアップなど一部機能は優れていますが、サービスの品質面に不安が残るというのが難点です。

さくら(プレミアムプラン)は明らかに避けるべき理由はありませんが、バックアップがないことと月額1,500円以上という料金の高さを考えると、(エックスサーバーがあるのに)あえて選ぶ理由が見当たりません。

ヘテムルについては独自SSLが無料・SNI SSLのどちらも使えない時点で、(SSL導入をすると)年間費用が飛び抜けて高くなってしまいます。さらにバックアップも有料オプションです。こうした高額に見合う強力なメリットもないため、現状は非推奨です。

以上のことから、月額1,000円以上の高機能な個人向けレンタルサーバーとしては、エックスサーバーが断トツでおすすめになります。

・当サイトによる紹介記事:エックスサーバーのレビューと評価