エックスサーバーと競合他社(mixhost・ヘテムル・お名前・さくら)を比較

※2018.2.17 mixhostのバックアップ期間が(一時期延長されていた30日間から)14日間に戻っていたため、その点を反映させました。

当サイト運営にも利用しているエックスサーバーは、月額1,080円~という価格もあって、個人向けとしてはかなり高性能なレンタルサーバーになります。それでも、この価格帯のサービスとしてはもっともおすすめしています。

ただ、実際のところ「他社の競合サービスと比べた場合に本当に優秀なのか?」というのは気になる方も多いはずです。そこで、ここでは月額1,000円前後の代表的なサービスとして「mixhost(ミックスホスト)」「ヘテムル」「お名前.com」「さくら」を取り上げ、具体的な比較を行います。

なお、時間のない方やお急ぎの方は、まとめの項だけを読んでいただいても大まかな内容は分かるようになっています。

サービス比較の基準を考える

まず、価格・ディスク容量・マルチドメイン数などの基本的なスペックを表にまとめたのが以下のものです。なお、複数プランを提供しているサービスの場合は、この価格帯に合うプランを掲載しています。

サービス エックス
サーバー
mixhost ヘテムル お名前.com さくら
プラン X10 スタンダード ベーシック SD-11 プレミアム
初期費用 3,240円 0円 2,160円 1,944円 1,029円
月額 1,080円 1,058円 972円 1,058円 1,543円
ディスク容量 200GB 40GB 200GB 200GB 200GB
マルチドメイン 無制限 無制限 無制限 無制限 150個
データベース 50個 無制限 70個 50個 50個
無料SSL ×

※価格はすべて税込です。また月額は12ヶ月契約時の料金です。
※お名前.comは無料の独自SSL機能は提供していないものの、月額108円~の低価格SSL(SNI SSL)機能が用意されています。

この表から見えてくることがひとつあります。それは「この価格帯まで来ると、レンタルサーバーとしての基本的なスペック・機能は横並びに近くなってくる」ということです。

容量は200GB以上のところがほとんどで、マルチドメインも無制限のところが多く、またワードプレス等の利用に必要なデータベースも数十個作れて当然という状態です。

またウェブサイト全体をSSL化(暗号化)することで安全性を高める機運がネット全体で高まっていますが、それにつれて無料で行える独自SSL化のニーズも高まってきました。2016年時点ではこの辺りは各社まだバラつきが見られましたが、2017年末時点ではほとんどのサービスがLet’s Encrptなどの無料SSL化機能を提供しています。

そのため月額1000円以上の高性能サーバーの場合、もっと他の部分でサービスを評価する必要が出てきます。その基準はさまざまに考えられますが、当サイトとしては、以下の3点をとくに重視して評価していきます。

  • 自動バックアップ機能
  • ディスク環境
  • サーバーの稼働品質

自動バックアップは多くのユーザーが求める機能であること、またディスク環境(HDDかSSDかなど)は高速性にも直結する大きな要因です。そして稼働品質は目に見えにくいものながら非常に重要です。

自動バックアップ機能について

まず自動バックアップ機能についてです。とくにこの価格帯のサービスを検討する人は、ウェブサイト・ブログも本格運用を考えている人が多いはずなので、それだけデータのバックアップの重要性も高くなります。

下記に、データの保管期間、および(ユーザー側でのリクエストに応じての)データ復元に関する対応状況を表にまとめました。

サービス エックス
サーバー
mixhost ヘテムル お名前.com さくら
プラン X10 スタンダード ベーシック SD-11 プレミアム
料金 無料 無料 無料 無料 ×
対象データ Web/
メール/DB
Web/DB Web/
メール/DB
Web ×
データ保管 7日間
(Web/メール)
14日間(DB)
14日間
(Web/DB)
7日間
(Web/メール)
14日間(DB)
21日間 ×
復元 5,400円
(Web/メール)
10,800円(DB)
無料 5,400円
(Web/メール/DB)
無料 ×

バックアップに関しては、mixhostが優秀です。月額1,000円前後の価格帯でありながらデータベースも含めて14日間分を保管し、なおかつ復元も無料という贅沢なものになっています。ただし保管対象にメールが含まれていないため、サーバー上にメールを長期置いたままの運用(IMAPなど)をする場合には注意が必要です。

また一見すると21日間という長期の保管ができるお名前.comですが、こちらは対象がWebサーバー上のファイルのみとなっており、メールはともかくデータベースも含まれていません。昨今はブログの記事内容など、重要な情報がデータベースに含まれていることも多く、安全面ではいま一歩欠けるところがあります。

メールやデータベースもすべて含めたバックアップに対応している点では、エックスサーバーとヘテムルが高評価です。保管期間も7日間(WEB・メール)~14日間(MySQL)と十分長いので安心です。復元時に費用がかかるのは注意点ですが、(復元を頻繁に行わず)万が一の保険と位置付けるだけならまず問題はありません。

高速性にも直結するディスク構成

いわゆる「ホームページがサクサク表示される」という高速性に関連が深いのが、ディスクの構成です。

なお速度には、回線など様々な要素が複雑に絡みあっているため、ディスク構成だけですべてが決まるわけではありません。ただし、それでも個人ユーザーでも自宅のパソコンをHDD(ハードディスク)からSSDに変えたら速度が劇変したという方も多いほどに、やはり重要な要素であることは間違いありません。

こちらもディスクの種別、RAID、容量などの面を表にまとめています。また速度に関してはWebサーバーの選択も重要であるため、(やや専門的な情報になりますが)その点についても併記しています。

サービス エックス
サーバー
mixhost ヘテムル お名前.com さくら
プラン X10 スタンダード ベーシック SD-11 プレミアム
容量 200GB 40GB 200GB 200GB 200GB
種別 オールSSD オールSSD オールSSD HDD HDD
RAID RAID10 RAID1 or 10 RAID
(構成不明)
不明 RAID1
Webサーバー nginx LiteSpeed Apache Apache Apache

※オールSSDは、Web・メール・DBのすべてがSSD化されていることを示します。

一番最初に言えるのが、エックスサーバーの優位性です。SSDでなおかつ従来のHDDにひけを取らない200GBの大容量。さらにRAIDについても、安全性と速度を両立できるRAID10、そしてWebサーバーについても軽量かつ高速と評判の新しい技術「nginx(エンジンエックス)」を採用しています。

次点では、mixhostとヘテムルが一長一短でせめぎあっています。mixhostに関してはなにより容量面の少なさがネックになります。これでもサービス開始から少しずつ増強されてはいるのですが、それでも現在まだ他社の5分の1程度です。容量をさほど必要としない使い方であれば問題ないですが、他社との大きな違いなので注意が必要です。

ヘテムルについてはオールSSD環境で容量もたっぷりありますが、Webサーバーに関しては従来のApacheのままとなっています。エックスサーバーやmixhostに比べると最新技術の導入には一歩遅れを取っているところがありますが、それでも十分な環境です。

一方、HDDを採用しているお名前.comやさくらについては、現状あえて選ぶ理由は少なくなりつつあります。ヘテムルにしてもリニューアルで大きく生まれ変わったので、プランの刷新に期待したいところです。

サーバーの稼働品質を推し量る

稼働率だけでは分からないこと

レンタルサーバーとしてもっとも基本かつ重要なのが、サーバーが常に安定稼働するかどうか、ということです。これはひとつには稼働率という指標が参考になりますが、近年では個人向けでも年間99.99%以上といった数値を謳っているところが増えています。

しかしながら稼働率というのは、サーバーが完全に停止しないかぎりは稼働していると見なされます。そのため、負荷がかかって遅くなっている・繋がりにくいなどの状況が多発しているかどうかなど、稼働率だけでは分からないことも多いです。

また近年は、サーバーに対する大規模なサイバー攻撃が行われることも頻繁になってきました。これらは悪意のあるなし、無差別か標的型かなど様々ですが、いずれにせよ「サイバー攻撃を受けてもまったく問題の起こらないサーバー運用は非現実的」になりつつあります。

それよりはむしろ、障害が起こってもそこからいかに素早く対処・復旧できるかをより重視すべき流れになりつつあります。

とはいえ、共用サーバーの場合は同居ユーザーの影響などもあるため、正確にサービス全体の稼働品質を測るのは難しいです。そのためあくまで推測という形になりますが、障害情報などをもとに品質を推し量ることにします。

重大な障害が非常に少ないエックスサーバー

まずエックスサーバーですが、障害情報は一見すると多く見えるものの、実際には数分程度の障害がほとんどであることが分かります。またそれらもサーバーに繋がらなくなるといった重大なものは少なく、一時的な負荷の上昇などの軽微なものばかりです。

こうした細かな負荷上昇なども包み隠さず、きっちりと情報公開してくれているところはとても信頼感があります。また数十分~数時間に渡るような中長期の障害はほとんど見受けられず、まさに安定稼働の見本のような状態を維持しています。

さくらとヘテムルは基本的には安定

さくらとヘテムルですが、どちらも10分程度の障害情報も含めて掲載しており、その点は評価できます。ただサーバーによっては(稼働停止ではないものの)30分を超えるような中期的な障害もときおり起こっており、さすがにエックスサーバーには叶わない印象です。

不安の残るお名前.com

次にお名前.comですが、正直に言ってしまうと、稼働品質には不安が残ります。

たとえば平日の数時間に渡っての障害情報も掲載されています。しかも内容がデータベースに完全に繋がらないなど重大なものになっています。そのほかサーバーに繋がりにくくなるといった障害では、完全復旧に2日以上かかっているケースもありました。

また稼働品質そのものとは別ですが、通常は他社では障害が起こった際は「○番のサーバーに障害発生中」のような形で詳細が発表されるものですが、お名前.comの場合は「一部のお客様」としか対外的には表示されません。こうした点からも、情報公開に少し腰が引けている感じがあり、やや不安が残ります。

mixhostはこれから次第

最後にmixhostですが、こちらは2016年からの新興サービスということもあり、長期的に安定稼働するかどうかは今後次第といえます。

ただ、2017年2月には大規模な障害が起こり、なおかつただサイトが見れなくなるだけでなく、(状況によっては)データベースのパスワード等まで見える状態になってしまうということで大きな問題になりました。もちろん再発防止はしっかりされていると思いますが、やはりこうした面は新興サービスを選ぶ上でのリスクともいえます。

まとめ

ここまで幾つかの観点から見てきましたが、総合力ではやはりエックスサーバーに軍配が上がります。

オールSSDをはじめとしたディスク構成にも隙がなく、バックアップもWeb・メール・DBすべてを保管してくれます。稼働品質についても一級品で、機能追加も随時行われることから、月額1,000円前後での鉄板サービスとして維持し続けています。

次点としては、mixhostとヘテムルです。まず最新技術をふんだんに盛り込んで登場したmixhostですが、やはり新しいサービスということでまだまだ長期的な評価はこれからです。エックスサーバーとどちらを選ぶかでもし迷うようであれば、あえてmixhostを選ぶ必要はないと思います。

ヘテムルについては2017年秋の大規模リニューアルで値段も大幅に下がり、単純なコストパフォーマンスだけを見ればエックスサーバーに匹敵するものになりました。ただ機能追加のペースなどがやや遅いこともあり、今後また水を開けられる可能性もあるので、当サイトとしては積極的にはおすすめしていません。

そしてさくらとお名前ですが、現状ではこの両者は他に比べて機能不足・スペックの見劣りが目立ちつつあります。今後の大きなリニューアルがあればまた評価を書き換える予定ではありますが、現状では選択肢としては非常に弱いと言わざるを得ません。

以上のことから、月額1,000円以上の高機能な個人向けレンタルサーバーとしては、エックスサーバーが断トツでおすすめになります。なんだか回し者のように感じてしまわれるかもしれませんが、実際に各社を比較している当サイトが6年以上にわたって利用しつづけているのがなによりの証拠になります。

・当サイトによる紹介記事:エックスサーバーのレビューと評価